昨日は、訪問診療日だったので、朝から老親のところへ。
先生は真っ黒に日焼けしている。
看護師長さんも、若い看護師さんと同行される。
コロナになってから、病院は経営がタイヘンだと聞く。
このクリニックにも、おそらく同じことが起きているのだろうと思う。

こうして訪問診療に重点を置いた経営は、ある意味正解だったかもしれない。
そして。暑い中ご苦労さまでしたとお見送りしたあと、部屋の空気を入れ替え、殺菌シートでテーブルあたりを拭く。
いつでも自衛。
老親も心得たもので、すぐに手を洗いうがいをする。
とにかく自衛。

洗濯を干してから、今度は父親の歯医者さん。
ほぼ一か月ぶりで、ああ、歩けなくなってるなあと、重い足を引きずる父親を励ましながら、歩く。

そうして。
暑さのせいか、自分の部屋に帰ってくると、この頃ではずどんと伸びてしまう。電池切れのように、ダウンしてしまう。
それでも、夜になにかしら予定がはいると、がぜんしゃきっとする。


昨夜は、尊敬する湯川さんからのお誘いがあったので、当然しゃきっとして出かける。
半年に一度くらいご一緒する4人で、静かな会食をする。
賑やかな会食は、もう、できない。

あ、ちょっと大きく笑いそう、と言う時は、すぐに膝にかかっているナプキンを口にあてる。
もう「がははは」はできない。


それでも、変わらず、皆さんのお話は面白くタメになる。
へえええ、あああああ、といっているうち、あっという間に時間が経つ。


なんとしても生き抜きましょう。
と湯川さんがおっしゃる。

それは、これまで数えきれない修羅場をくぐって生き抜いてこられた方からのエールだ。
でも、そんな湯川さんをしても、このコロナの先の見えなさ、残酷さは、胸を痛めさせることばかり。


ほんとに、どうやって生き抜こう。
すごい時代に遭遇したものだと思う。
敵はウィルス。

映画みたいだ。


映画なら、必ず終わりがある。
起承転結の結がある。
実際は、いったい、どんな「結」なのか。

まだ誰にもわからない。

わかるのは、何としても生き抜くということだけだ。