木村拓哉、愛称キムタク。

この人の出演するものを、ほとんど見たことがなかった。
社会現象にもなる大ヒットドラマでも、ちゃんと見てはこなかった。

ちょこっと見ると、あまりにカッコよくて、カッコよすぎるので、見ることができなかった。

べつだんナルシスティックにも思えないのに、仕草もセリフも、こんなにカッコいいと、腰が引ける。
とまあ、そんな感じだった。



コロナ自粛中、部屋で映画を見た。
バンドメンバーでもあったバイオリンの土屋玲子さんが、音楽も担当し、なんと妻役で出たという「検察側の罪人」。

二年ほど前の作品で、玲子ちゃんからも映画チケットをいただいていたのに見逃した。

それを見た。
キムタクは、もうキムタクではなかった。
木村拓哉、という役者になっていた。

驚いたのは、彼が大きな重い熱量を持っていることだった。
画面が締まる。緊張感が出る。

これは、技術なしにはできないことだ。
ちょちょちょと、器用にやってしまえるものではない。

どれだけの鍛錬をしたのだろう。
アイドルから表現者へ。
なまなかではない彼が経てきた時間が見えた。


本気だなあ。
オトコの本気だなあ。

そんなわけで、昨夜は、後半だけだけどボディガード役のドラマを見た。
映画と同じ、本気。
スキのない重い熱量。
例えると、黒い太陽って感じか。


歳を重ね、黒い太陽になったキムタク。
また見よ。っと。