何日か外へ出ず、じっと家の中にいたいもんだ。
と、思っていた。
それが、まさかこのぎっくり腰で実現するとは思わず。
2日間。
ぶらぶらとして、立ってるほうが、座ってるより楽だなあとか、でもやっぱり横になると全然楽だなあ、とか。
友人が、夕方、ご飯を届けてくれるので、日干しにもならず、Amazonプライムの映画を見たり、ケーブルテレビを見たり。
これで痛くなけりゃ極楽だわん。と時を過ごした。
映画で、子供の頃に流した涙と同じような涙を流した。
子供の頃、流す涙は、もうとうに濁って、今はもうそんなに簡単に涙なんか流さないよ。
って思ってたのに。
もう半世紀、いやそれ以上前の白黒映画。
それもオムニバスのやつ。
このオムニバス形式には、もともと弱い。
子供の頃。
たしか「運命の饗宴」ってタイトルだったか、その映画を見て、どうしようもないほど感動した。
1着のフロックコートが、まわり回って、いろんな主人公のところに行き、そこで一つずつのお話になる。
もうすっかり忘れているけど、お金持ちのものだった立派なそのフロックコートが、最後にボロボロになって、でも、貧民街で、ひらひらと旗のようになびいて、みんなに喜ばれるシーンだけ覚えている。
子供の私は大泣きした。
昨日。やっぱりそれと同じような古いアメリカ映画を見た。
「人生劇場」
原題は、オー・ヘンリーの「フルハウス」。
将棋みたいになった邦題だけど、5つの短編。
まさにオー・ヘンリーだ。
5人の一流監督が腕を競った5つの物語。
最後はあの有名な「賢者の贈り物」。
ご存じの方は多いと思うので内容は省略を。
(ていうか、腰がそろそろ痛くなってきたので)
泣きました。
子供の頃の涙と一緒でした。
(いや、ちょっと粘度高かったかも)
ああ、こんな良い涙、まだ流せるんだ。私。
なんて思いました。
いいものは、ずっといい。
きっと100年たっても。
年月とともに、魂のまわりにいろんなもんをくっつけて、ぶくぶくのリンゴみたいになった私に、ホントの「芯」を思い出させてくれる。
ほれ、これがお前の「芯」だよ。「魂」だよ。
って、最後に見せられる。そんな感じ。
ああ、まだ私ダイジョウブかもしれない。
あ。この映画。まだ無料配信してます。
Amazonプライムご覧になれるかたはぜひ。
小さいタブレットで、両手に挟んで手元で見る映画たち。
まさか、こんな日が来るとは。
映画さんたちも、思ってもいなかったでしょうね。