昨夜。

知人のかたからメールが届いた。

 

両親が亡くなって、二人の住んでいたマンションを片付けた時。

焦げてぼろぼろになったエスプレッソマシーンが四つ見つかった。

 

というものだった。

私のブログを読んでくださって、ご自分の想い出をお知らせくださったのだった。

 

 

90歳を過ぎて、お二人で暮らされているのは、奇跡です。

とも書かれていた。

 

目頭が熱くなった。

 

 

奇跡。そうかもしれない。

 

優しくしなけりゃ。

また思う。

でも、じゅうぶん優しい。

とも思う。

 

 

もう自分で自分を責めるのもやめよう。

私のやっていることは、もう精一杯のことなのだと自分を許そう。

 

 

 

親の家からの帰り道。

初めてタピオカドリンクを買った。

 

「大粒と小粒とどちらにしましょう」

やはり、あの黒い大粒を食べてみたい。

 

コロナのせいで、テイクアウトしかできなくなった店を出て、一口含んだ。

 

ふにょふにょ。

私の知っている白い小粒タピオカではない、大粒タピオカは、いつまでも口に残った。

 

でも、ストローの中を通り抜ける黒いタピオカが、カエルの卵みたいで愉快だった。

静岡の藤枝の農村地帯で過ごした、子供の頃を思い出した。

春先の陽射しに輝く、カエルの卵たちを思い出した。

 

 

あれから60年近く。

 

 

両親も私も、こうして今を生きている。

よくやってるよね。

私たち、よくやってきたよね。

 

もう、自画自賛するんだ。