このコロナ騒ぎが始まったころ。

 

たしか「バン記者!」という番組だったと思うが、そこでゲストに出られていた高橋先生というかたが。

「そうですねえ、一年かそれ以上かかると思います」と言われた。

 

その時は、まさかあ、そんなと驚き、でも、もしかしてこのウィルスってのは、そんなにタイヘンなものなのかもしれないという不安は腹の隅っこにしまった。

 

 

その頃、まだまだ世界もこんな状況ではなかったし、先生のいわれたことが杞憂になるはずと、これまたなんの根拠もなく、れいの「正常性バイアス」で自身を安心させた。

 

 

数日前。

安心と安全は違います。と岩田先生が言われるのを聞いて、なるほどなあと思った。

 

 

安心したいし、安心は気持ちいいけど、それは安全ということではないのだ。

 

こんな天気の良い日には、陽射しを浴びて、公園にでも行きたくなるけど、そこに同じように思う人たちがたくさん集まれば、もう安全ではない。

 

 

安心で安全は家の中。

そうはいっても、たとえば宅配のかたが来れば、それはそれで緊張する。

遠くから段ボール箱を差し出し、受け取りサインもなし。

その姿に、そうだそういう時なんだと、あらためて緊張する。

 

両親の夕食宅配も、今は手渡しをしない。

保冷箱をそのまま外に置いていく。

これまで父親と軽い言葉のやりとりをしてくれていた配達のオジサンも、そそくさと逃げるように去っていく。

 

 

すっかり変わってしまった。

 

世の中はすっかり変わってしまった。

 

 

そこで、一つずつ、学ぶように、日々を過ごす。

晴れた休日のスーパーには行かないこと。

雨の日の翌日もしかり。

明日が大雨と言われている前日もまた。

 

これまで積み重ねてきた「失敗」から、こんな私でもわかってきたことたち。

 

 

極限状態で働いて闘っておられる医療従事者の方々に、ぜったい私一人でも、そして私の親二人も、絶対にお世話にならぬよう、それだけを肝に銘じ、さあて、今日も頑張りまする。