朝の連ドラ「スカーレット」が終わった。

最後のほうは、コロナに紛れて、気持ちもバタバタしている中進んだ。

 

このドラマ、主役の戸田恵梨香さんが、この炎のような(まさしくスカーレット色の)陶芸家を、撫でるように演じておられた。

炎のような主人公は、えてして、視聴者の共感を得にくい。

特に、こうした時間帯のものでは、ムズカシイだろうと思う。

 

実際、穴窯をめぐっての、夫との争い、そして別れあたりは、なかなかハードだった。

こんな我の強い女はイヤね、と思う人も多かっただろう。

でも、そうだった、主人公は芸術家なのだった。我が弱くてはできないのだった。

 

後半も後半の息子の白血病も、ハードだった。

そうなんだよねえ、こういう天使みたいな人って、天国に早く召されちゃうんだと思うしかなかった。

 

 

そういったアレコレを、ぜんぶすくい取ったのが音楽だった。

劇伴てこうあるべき、と思えた。

あおることもなく、淡々と、でも温かい。

冬野ユミさんというお名前を、しっかり覚えておこうと思った。

 

 

ということで、戸田さんや、夫役の松下さんや、息子の伊藤さんなど、自然なセリフを言える役者さんが素晴らしく、気持ちが鎮まった。

 

 

今この時期、気持ちを鎮めてくれるものはありがたい。

 

 

にしても。

ドラマってのは、「二年後」とかいう場面の切り替えで、歳月が流れてしまうことが、いつも以上にうらやましかった。

 

こんなふうに、あっという間に、ツライことが流れ去ったらどんなにいいだろう。

 

やっぱりドラマはドラマ。虚構なのだ。

私たちは、今この時を、這うように、生きなきゃならんのだ。

泣いたり叫んだり恨んだり、もちろん笑ったり、(今はほんのちょっとだけど)喜んだりしながら、一日一日を生きなきゃならんのだなあ。