昔。

 

坂口安吾とその奥さんのことをドラマ化した番組があって。

たしか「クラクラ日記」とかいうものだった。

 

安吾を藤岡琢也、妻を若尾文子。

 

子供だった私には、なんだかよくわからんものではあったけど、作家つうのはめちゃくちゃなもんだなあとはわかった。

 

モノを書く人、それが小説でも詩でも俳句でも、そんな生業をしている人は、たいていこんなふうらしいともわかった。

 

穏やかで人格者な人なんてのはいそうもない。

 

傑出したモノカキというのは、たいていそんなものらしい。

だからその奥さんになんかなったらえらいことだ。

 

忍従するか闘うか。

どちらにしても、常人ではできない。

 

そういえば、阿川さんもそういってた。

作家の家族の息の潜め方は、尋常ではなかった。

ふすまのこっちで息を潜めて潜めて。

ところがそのふすまをばばばと開けて、縮こまった家族に作家は叫ぶのだ。

「うるさい!!」

 

この話を聞いて、ああ、サラリーマンの家に生まれて良かったと思った。

 

なんでこんなことを思い出したかと言うと。

 

昨日のブログで尾崎放哉の訂正をしたからで。

 

山頭火もすごいけど、この人の生涯もドラマ化されてたはず。、

まあ、ほんとにメチャクチャ。見事にメチャクチャ。

ウィキなどで見ていただければわかるけど、こんな人、まわりにいたらどうしよう。と思う。

 

 

それに比べ。

何も作品は残さないけど。

家族のため、毎日満員電車に乗ってくれた父親に、ひたすら感謝。

ここ数年、毎日毎日、少しずつ、でも確実にアタマの調子は変わっていくけど、愛おしい。

父さん、ありがとう。

と背中に手をやり、ちょっとした筋トレをする日々。

 

はたしていつまで続くかなあ。