テレビをつけるとコロナウィルスばかり。

 

「わからない」とか「未知」とか「はじめて」というものに、人は混乱する。

これは、エイズの時もそうだった。

一人の死亡者が出た、という報道後のコワさったらなかった。

みんなが息を潜めたような静けさだった。

 

私は新宿二丁目あたりを自転車で通るとき、息を止めた。

ぐっと止めた。

今では、笑い話のようなことが現実だった。

 

 

だから、今のこの現実も、きっと笑い話になると思いたい。

でも、なんだかやっぱりよくわからない。

 

昨日、チャーター機で武漢から帰国した人たち。

そのお二人が記者会見していたけど、これもよくわからない。

 

ホテルに隔離された人は、お弁当も、ドアの前に出すというような厳重さをアピールしているのに、たくさんの人がお二人を囲んでいる。

この「違い」がわからない。

 

 

帰国した中の二人が検査を拒否して自宅に帰ったという。これもわからない。

帰国するときに、帰ってからのことは説明がなかったのかと思う。

当然、隔離的なことを承知して乗ったのではないのか。

これもわからない。

 

 

そして発熱。

37度何分とか36.9度とかという発表に、これって発熱なのかと驚いた。

これじゃあ、みんなが発熱してることになる。

これもわからない。

 

セキや発熱の症状があったら医者に行かず保健所へ連絡というのもある。

でも今の時期、本当だったらインフルエンザでもちきりだ。

そうでなくても、今季は、早い流行だったはず。

コロナウィルスとインフルエンザと、どっちがコワいのか、これもわからない。

少なくともインフルの発熱は39度を超えるものばかりだ。

こっちのほうがすぐに命にかかわりそうだ。

 

 

見たとこ軽症で気づかぬまま生活してるコロナウィルスの患者は、その後どうなるのか、それもわからない。

知らぬまま治っている人もいるらしいとか、子供はかからないとか、そんな話もあるとますますわからない。

 

政府チャーター機で帰国した人に8万円の負担ということで非難が出ている。

でも、これってどうやらエコノミークラスの普通の値段。

それが、そんなに非難されることかどうか、これもわからない。

 

それより、帰ってきて隔離の部屋がないことのほうがヤバい。

知らない人と相部屋で二週間ずっと一緒というのは、ツラい。

 

緊急時の、たったこれだけの人数への対処のシュミレーションがないのであれば、これから先のあらゆることへの対処はどうなるのか、これもわからない。

 

これだけ二次感染だ三次感染だといっているなら、中国からの観光客はとりあえずお断りする。

しばらくお断りする。

国交断絶ではないのに、それもできない。

そんなに簡単なことではないということらしい。

これも、わからない。

 

 

わからないことばかりだ。

 

 

人は見えないものに怯える。

見えないものはどんどんその姿を大きくする。

モンスターになる。

 

早くモンスターの正体が見たい。

つかみたい。わかりたい。

どんだけの大きさだったのか知りたい。

 

 

道はまだ遥かなんだろうか。

 

わからない。