また雨になるという。

台風の被災地が乾く間もなく、また雨が降るという。

 

まったく、神も仏もないのかと思う。

 

いや。天候には、神も仏もないのだと思う。

そういうことなのだと思う。

 

 

だから。

一昨日。

天皇即位の儀式のとき、それまでの雨が上がったとか。

虹が出た。とか。

そういう天候を、奇蹟のように言うのはなんか妙な気がする。

(それを言い募れば、じゃあ、なんで最初から晴れなかったのだとかいう話にもなるし)

 

くわばらくわばら。

奇蹟の話は、くわばら。

 

 

気象、天候は誰の味方もしないものなのだ。

そこに意思は、ない。

 

そんなことを思ったのは、19号台風の時だった。

あの激烈な雨風の中、地震が起きた。

 

え、ここで地震ですか。

 

台風に地震ですか。

 

 

ありえない、と思った。

でも、よおく考えたら、ありえないことじゃあなかった。

 

天気に神さまはいなかった。

台風だから、地震はやめておきましょうね、なんていう意思をもつ者など、どこにもいなかった。

 

 

冷酷だなあ、冷徹だなあ。自然は。

 

当たり前の事実に、厳かな気持ちになった。

 

 

大自然の前に、吹き飛ばされるアリ一匹のようなニンゲン。

それでも。どこかで神を見ようとする。

 

そのために祈る。

 

これ以上、雨で苦しめないで。

祈るしかできない。