このところの気圧変動のせいか。

もともとあった左耳の耳鳴りが、きいいいんと一層鳴っている。

 

昨夜。

録画してあった「いだてん」を見た。

今回は、終戦間近に満州に慰問に行った、志ん生と円生の話。

 

すごかった。

もうテレビドラマじゃあなかった。

少なくとも、これまでの大河ドラマじゃあなかった。

 

映画のようでも、演劇のようでも。

その熱量は、クドカンの思想の熱量で、これまでこれほどの熱量の大河ドラマはなかった。と思う。

書く人の思想と、その見せ方が演劇的で、たしかに、この演劇的さが、お茶の間のドラマとしてはわかりにくくて視聴率が取れないのだろう。

 

落語の「富久」で走る男と、攻め入ってきたソビエト兵から逃げる男と、異次元のこの二つが「走る」ことでつながっている。

その場面は、もうそれこそ異次元に面白く、そして泣いた。

 

 

もし、これまでこのドラマを見たことがない人でも、この回だけでもご覧いただくといいと思う。

この回は、独立した話として、十分に理解できる。

 

事実、井上ひさしの戯曲にも「円生と志ん生」があるくらいで。

 

 

尋常でない台風と、ちょうどぶつかったこの回。

おっとどっこい、人はしたたかに生きる、生きなきゃなんねえ。

どうしたって生きなきゃなんねえのよ。

と、地獄を見てきた先人のエールとも思える。

 

 

再放送は土曜日のお昼に。

 

 

さ。

これから両親の訪問診療にひとっ走り。

 

 

どうしたって死ぬまで生きなきゃなんねえのよ。

みんな。

 

ね。