あの日。
「妻が願った最期の七日間」を、宮本さんは、あんな表情で聞いててくださったのだなあ。
と、今、情報番組「スッキリ!」を見て、よおくわかった。
テレビ画面で見るほど、実際は明るくない。
ほとんど真っ暗といっていい。
なので、お客さまの表情がわかることは少ないし、新曲の場合はとにかく緊張している。
この歌のもとになった「七日間」という詩。
自分がこちらからあちらへ行くまでの間にしたいこと、しなければならないこと。
それを亡くなった容子さんは、夫の英司さんに書き留めてもらっていた。
料理をしたいとか、ドライブ行きたいとか、そういう何気ない日常のあれこれ。
お二人の暮らされた部屋も、番組で初めて拝見した。
気持ちの良いお部屋だ。
でも。
そこに一人おられる英司さんの姿と、なにかをこらえるような静かで穏やかな話し方に心が揺れた。
そうか、こんなふうに人は一人になるのだ。
一人って、すごいことだなあ。
一人で生まれて、また一人になる。
一人って、すごいことだなあ。
テレビを見終わって。
ふううと息を吐いて。
昨日の高尾でのキャンペーンを思い出し。
あの時、あんなにたくさんの人と手を握ったこと。
お年寄りや赤ちゃんもいたこと。
歌はただの歌だけど。
やっぱりきちんと唄っていきたいなあ。と思った。
あちらへ行くまでのこちらで、一生懸命なすべきことをしなきゃなあと思った。
なすべきことをちゃんとして、あちらへ胸張って行きたいなあ。
ぜいぜいよれよれしながら、でも、胸張って行きたいなあ。
この歌とのご縁をくださった皆さま、そしてもしかして神さまに、心から感謝します。