なんでもないようなことなのだけど。
思い出してもうれしい。
一昨日の石巻で、帰りの仙石線。
あわてて乗った車両から次の車両へと移ろうと、ドアに手をかける。
案の定、なかなか開かない。
こういうの、どんどん開けにくくなってるなあ私、なんて思ってると、するりと誰かの手が伸びて。
ぱらりとドアが開いた。
横の座席に座っていた青年とも少年とも学生ともいえる人が、手を伸ばして開けてくれたのだった。
「ありがとうございます」と礼はいったものの、ことの次第がよくわからぬまま、移動した。
座席について、ちょっと落ち着くと、さっきの出来事、この親切が、かなりレアケースで、だからこそものすごくうれしかったことに気づいた。
「ねえねえ、さっき、あの男の子が開けてくれたんだよね、ドア」
「そうですよ!」
さりげない、こんな親切、思えば生まれて初めて。
それも悲しすぎるだろう、と思うけど本当だ。
いや、たいていの女性や老人は、なかなかこういう親切に巡りあえない。と思う。
ありがたいなあ、うれしいなあ。
まるでおとぎ話のナイトにでも出会ったような気持ち。
このくらいのことで、感動してしまうのってどうなの。
これだもの、ちょっとした親切や優しさでコロっとだまされる女性だっているわな。と思う。
私だって、ちらりと優しい男にエスコートされたら、もうダマされます。
ダマされたいです。(こらこら)
若い男の子(若くなくてもいいですけど)は、だから、どうぞ、女の人、特に中高年の女性に優しくしてくださいね。
あなたがたの有り余る腕力が、助けになるんですから。
幸せを運ぶんですから。
ペットボトルだって、瓶のフタだって、あらら開かなくなってきたとガックリきてる私たちなんですから。
しかし。ほんとに開かなくなってるなあ、ペットボトル。
これも訓練と思って、ちょっとがんばるけど、やっぱり百均のアイデア商品に頼ってしまう。
便利なんですなあ、これが。
いやいやいかんいかん、まずは「握る」訓練しなきゃ。
筋肉はこつこつ。
あきらめずに、がんばろっと。