吉田沙保里さんが引退すると聞き。
あれ、吉田さんは、まだ選手だったのかと、スポーツに疎い私は逆に驚いた。
警備会社のではなく、今の健康飲料のCMを見れば、もうこの人が「闘い」の人でないのだとわかる。
表情が、どんどん柔らかくなって、パステルカラーが似合うようになった。
子供や夫や親との「団らん」が似合う人になった。
で。
今回おもしろかったのが、メイク評論家のコメント。
「吉田さん、メイク変えましたね、深田恭子さんと似ていますね」
二人は親しいので、その影響だと、この人は推測し、これまでの吉田さんとの比較などをする。
でも。重要なことが抜けている。
これはプロの仕事だということ。
こんなに注目度の高い人で、メイクを自分でする人、まずいない。
プライベートならともかく、仕事の場合は、ほとんどの人がプロにまかせる。
しかも、引退発表などという場で、自分でメイクするわけがない。
なのに、なんだか、そうかそうか、やっぱり吉田さんはどんどん綺麗になってるのね、とテレビのコチラ側では、妙に納得したり、驚いたり焦ったりする。
じゃあ、私だって、もっと肌のこと気にしたり、メイクのこと頑張らなきゃなんて、勘違いも起きる。
お恥ずかしいが。
私のごとき者だって、時に、クミコさんキレイですよねえなんて言われる。
そういう時は、あ、これメイクさんのおかげですから、と答える。
特に映像やジャケット写真など、プロはプロなのだ。
手腕があるのだ。
だれでも、キレイに見えるようにしてくれます。
それがプロのヘアメイクさんです。
だから、ご心配いりません。
と、何も心配なんかしてないかもしれないのに、そうお答えする。
吉田さんについて言えば、メイクにご自身が馴染んだこともあるだろう。
女子的なことに、近づきたいと思われたのだろう。
だから、もうそれは「闘う人」ではなくなったということだ。
顔は、それほど、その人の心を表す。
メイク一つでも、どういう人でありたいかを示す方法なのだろう。
そうはいっても、シワだらけシミだらけでも、その慈愛に満ちた物言いや態度に、ああ、やっぱり行き着くとこはここだな、これが人としての理想だなと思えるオバアサンもいる。
そして、それが一番むずかしい。
心を作るのは、顔を作るように簡単にはいかない。
ああ、やっぱり精進精進。