ならず者二人が、シンガポールで会っている報道ばかりだった。
この二人、私にはやっぱり「ならず者」に見える。
なにをどうしても「ならず者」に見える。
「0k牧場の決闘」という昔の名作西部劇を、母親が見ていて。
あらあ、こんなのひさしぶりだわあ、なんて見てて。
いよいよこれから決闘というとき、ちりんと呼び出しブザーが鳴った。
ご近所さんが、訪ねてきたのだ。
それも、私のコンサートのチケット代金を届けに来てくれたという。
戻った時には、もう決闘は終わっていた。
「終わっちゃってたの、決闘」
無念の母親。
娘のチケットをいつも買ってくださるご近所。
もちろんありがたい。
でも、なんだか、おかしくて笑ってしまう。
「いやあ、だいたいそんなもんだよ、これからがいい時って時に限って人が来るよ」
そう慰めてみる。
母親の世代は、西部劇の全盛時。
ジョン・ウェインやらゲイリー・クーパーやら。
こういうヒーローと決闘するのが「ならず者」。
ならず者には、ならず者の論理があるのだけど、西部劇でそんなこといっていても仕方ない。
だから、時々、ヒーローに撃たれて息も絶え絶えな「ならず者」に同情したりした。
(インディアンにいたっては、どっちが正義なのか、わからなくなった。)
トランプって西部劇に出てくる「ならず者」に似てるよね。
そうだね、いるねえ。ああいうの。
でも、キムジョンウンもなかなかの「ならず者」だねえ。
その二人に、ノーベル平和賞がどうしたこうしたなんて話まで。
もうまったく、世界はどうかしてる。