日高晤郎さんが亡くなった。
北海道のSTVラジオ。日高晤郎ショー。
北海道のかたには、皆さんお馴染みの人気番組だ。
初めて伺ったのは、もう15年以上も前のことだろうか。
「日高さんは、人の好き嫌いがはっきりしてるから、キライだったらすぐに帰されますよ」
という説明で、生放送のスタジオに。
ふだんどおり、度付きサングラスの怪しげな私を、なぜか日高さんはたいそう気に入ってくださって、私はスタジオに延々と、飛行機の時間まで居座り続けた。
それからずうっとご縁がつながった。
毒気のある日高さんのおしゃべりは、リスナーの好き嫌いもはっきり分かれ、それでいいのだとご自身も思われていたのだろう。
その鋭い矛先がまあるくなることはなかった。
我思う、ゆえに我あり。
まさにそんな感じだった。
自分の番組は、隅から隅まで自分でなくてはいけない。
たとえ、それを誰かに快く思われなくても、それが自分の存在理由。
晤郎さんは、東京に住んでいるらしいのだった。
木曜に札幌入りして、土曜の生放送。
でも。家族のこととか、そういった私的なことを一切聞いたことがない。
軽はずみに聞いてはいけない気がした。
だから、晤郎さんは札幌にいる人だ。北海道の人だ。
きっとココロは、これからもずっと北の大地にあるのだろう。
テンガロンハットの似合う、手足の長い、晤郎さんは、北の大地でにいるのだろう。
凍り付くほどコワい目と、とろけるような優しい目の両方で、北の大地を見下ろしているのだろう。
晤郎さん、長い間本当にありがとうございました。