半年ぶりに日本に帰ってきた友人と食事をする。

 

彼女は帰ってくるたび病院に行く。

 

特に歯医者。

 

 

今回の歯は相当に悪く、それでもパリでは歯医者に行かなかったという。

 

もちろん医療費の高さもあるけど、それ以上に、パリの歯医者なんかにいじられたら大変だと思うらしい。

 

 

歯医者は、医者ではあるけど、きほん手仕事の手わざ。

つまり、器用さが重要な分野だ。

 

 

日本の歯医者というのは、それほど優秀ということだ。

 

 

 

へええ、そうなんだやっぱり。

 

なんていってると。水着がどうしたこうしたと言う。

 

え、水着!

そんなもん着てるの。

 

 

私なんか水着なんて、とうの昔のもの。

日焼けもヤダし、カラダ見せたくないし。

 

 

 

見せて見せて。水着写真。

 

 

 

「高い水着買った二着」

という、その高級水着は、なるほどものすごくステキだった。

 

やっぱりフランスだなあと思う、決して若作りじゃなく、締めつけるワイアーやカップもなく、ただシンプル。

 

細い肩紐と、胸のとこのちょっとしたレースのような縁取りの黒い水着は、ああ、あるあるこういうの映画で出てくる、マダムが浜辺で寝転んでる、って感じ。

 

 

体型の崩れとか、そんなの関係ない、いいんですよこれが大人の女性の美しさ、といわんばかり。

 

 

 

もう一つの水着も、ブルーでただシンプルなのに、ちょうどいい具合にメリハリがついている。

 

 

 

 

ヨーロッパがいいとかどうとかじゃなくて、フランスやイタリアがどうとかじゃなくて、でも、私たちのような年齢、いやもっともっと高齢の女性でも、美しく見せる服の作り方はやっぱりさすがだと思う。

 

 

 

私なんか、ユニクロのカップ付きタンクトップでさえ窮屈でしかたない。

若い人と中高年の肉の付き方は違うし、それを同一のものでというのは、どだい無理なのだ。

 

 

 

そこいくと、締めつけないのに、色っぽい。

この技術は、ヨーロッパをまねてもいいと思う。

(とにかく「締めつけ」が、いやなんですわ、私ら)

 

 

おばちゃんになったらもう女は終わり、なんてとんでもない。

 

私も、こんなババパンやババシャツばかり着てないで、カトリーヌ・ドヌーブになりたい!

 

 

と、モンゼツしたのでありました。