一昨日。
五木さんの番組「人生、歌がある」の生放送。
年末特番5時間というもの。
45人もの歌い手が、それこそ「負けてはならじ」の気概で唄う。
それはかなりの壮観で、それぞれの人がこうして「歌」という芸を持ち、関わり、磨いて、闘い、生きてきたんだなあと胸が熱くなる。
特に、私が子供だったり若かったころの歌などは、その頃口ずさんで励まされた歌を、そのご本人が、まさに目の前で唄うという、もうなんともしれない幸福と、感慨で目が熱くなる。
歌って。いいなあ。
先だっての上野文化会館でも一緒だったはずの恵ちゃんとまた。
はず、というのは、せっかく楽屋に訪ねてきてくれたのに、なんと私はごろ寝をしていたのだった。
着替え用のゴザを床に敷いての、人さまに見せてはならないようなありさま。
そんなわけで、恵ちゃんとは今年最後のご挨拶。
とんでもなく忙しいであろうに、この人はきちんと鍛錬をしているのだろうなあ、と思うように歌っている。
歌は男子一生の仕事、そしてまた人間一生の仕事でもあるのだ。
最後に、五木さんの「千曲川」をみんなで唄う。
本当にいい歌だ。
五木さんの歌の中でも、長調の歌は、歌謡曲というより叙情歌だ。
大好きな「ふるさと」もしかり。
ああ、なんていい歌なんだろう。
歌い手やってて良かったなあ。なんだかそんな気持ちになる。
で。
昨日は、朝からレコーディングに。
初めて武部聡志さんとご一緒する。
(2年前にFNS音楽祭で総監督をされていたのでその時以来ではあるけど)
ベースを作り、弦を重ね、オーボエが入り。
そして歌。
この一連の流れを、休憩なしに、武部さんは進められる。
エネルギーの流れを中断させないエネルギー。
良い歌が録れた。
モニターで繰り返し聴くうち、目がにじんだ。
終わって。
武部さんから温かいメールをいただいた。
これから生きて歌っていく勇気を、またもらえた気がした。
歌を唄う。
音楽をしていく。
そしてどこかのだれかに喜んでもらう。
これはやっぱり幸せなことなのだ。
神さまからの賜りものなのだ。
だから、力の限り一生懸命努力せねばならんのだ。
そんなこんなを思った2日間でした。