遠くの親戚より近くの他人。とはよくいったもので。
私が金沢に行っている間。
父親が、玄関当たりでふらっと倒れこむのを、お隣の奥さまが目撃、声をかけてださった。らしい。
その出来事の顛末が、本人もよくわからないらしく。
その事情を聞いた母親のいうこともよくわからず。
耳も遠くなってるし、なにがなんだかよくわからんということで、昨日お隣のチャイムを押したのだった。
なるほど。
奥さまのお話ですべてが判明。
こうして、ちょっとしたことでも、ご近所というのはありがたい。
今では社会人となった「僕ちゃん」や、引っ越してきたときはまだお腹の中だった「お嬢ちゃん」。
大雪では、雪かきもしてもらったらしい。
だいたいが、若い声や姿そのものが、なんともまぶしく心強い。
思えば、こうしてなんだかんだとご近所のお世話になっている。
二十年前に引っ越してきた街、お互いに決して踏み込まず干渉しないけど、なんだかやんわりとお付き合いをしてもらっている。
ありがたいことだ。
ありがたい距離だ。
それでも。
老人は、だんだん意固地になる。
自分たちだけでダイジョウブだと思いたがる。
しょうがないなあ。
でも、おっと、それは私自身のことでもある。
あ、だんだん「かたくな」になってきてるな、と思う。
いかんいかん、柔らかくせにゃあ、と思う。
ぽおんぽおんと柔らかく弾んでいたいと思う。
でも、これがなかなかむずかしいんですわ、まったく。
ねえ。