タンゴコンサート。「タンゴのすべて」が始まった。
二時間半あまりのほとんどを、歌と演奏と踊りでつないでいく。
ゴージャス。
宝塚の皆さんの、あのカラダ配分というのは、ご一緒するたび驚かされる。
九頭身の人ばかりだ。
それにひたすら驚きながらがんばる中年組。
久野さんと渡辺えりさんと私。
出演前、鏡の前で記念撮影をした。
ドリームガールズ、シュープリームス、スリーディグリーズ。
そんな三人組の名前が浮かぶ。
楽しい。
初めての歌はコワい。
ピアソラの「チキリンデバチン」
タンゴでは珍しい三拍子の、社会的な歌だ。
アルゼンチンの貧しい子供、これがチキリン。
救おうと思えば救えるはずの、この子供たちはずうっとそのまま生きている。
貧富の差が縮まることはない。
知っているのに知らないふりをしている私。これが歌の主人公。
苦悩に満ちた歌だ。
これがめっぽうむずかしい。
言葉が、まだお腹に落ちていない。
なにがどうしても出てくるようにならないと言葉は、生きてこない。
それには人前で歌うこと。
それを重ねること。
昨日がその一回目になった。
だんだんお腹に落ちてきた。
で、今日は二回ステージです。
さあてどうなりますか。
ちなみにもう一曲は「小さな喫茶店」。
これは銀巴里の頃に唄いだした歌。
幸せな光が見える歌です。
ああ、良かった。
目黒のパーシモンホール。
ここでタンゴの濃密な時間が流れています。
あ、もう出かけなきゃ。