番組収録で、栃木県の鹿沼に行く。
「BS新・日本のうた」
北島三郎さん、一年二か月ぶりの復活出演ということで、まさに北島さんシフトになっている。
81才の北島さんは、ゆっくりゆっくり足元を確かめながら、まわりのスタッフや共演者の手を借りながら、舞台に立つ。
モノゴトは、それがたとえどんなに好きなものでも、いったん休止してしまったものを、また始めるというのはシンドイことだ。
北島さんは、それに大スターなのだ。
どれだけの強い意志が必要だったのだろう。
「歌が好き。音楽が好き」
これが答えだった。
「函館の女」や「帰ろかな」を、同じ舞台で北島さん、いや、サブちゃんと、みんなで唄える日が来ようとは。
はるばる来たぜ、函館へー。
子供のころ、この「函館へ」の「へ」があることがわからなかった。
いや、ほんとのことをいうと、ずっと「はこだてー」だと思っていた。
昨日、そこに「へー」がきちんとあって、ご本人もきちんとそう唄われていることを知った。
半世紀たって知ったこの真実。
はーこだーてーえー。
こういう感じ。
ちゃんと、言い直して音を伸ばすってことだ。
そのほうが、音はきちんと伸びる。
そうかそういうことだったんだなあ。
そんなことに感じ入りながら、歌うごとにどんどん元気になられる北島さんを見ていた。
北島さんのお話も面白く、これは放送をご覧いただくしかない。
自分の歌のルーツ的なお話など、日本人のアイデンティティー(この言葉ってどうも好きじゃないけど、なんていったらいいのか)や、時代にもかかわる深いものだった。
自由な人だなあ。
言葉を胸に置き、そこから歌にする。
そういう命の躍動を大切に唄われてきたのだろうな。
「ありがとう!」
客席から野太い声が飛んだ。
北島さん、いや、サブちゃんは、大きな笑顔で、ぴょんと飛ぶように舞台袖に消えた。
えええ、あんなに走れちゃうんだ。もう別人だ。
やっぱり超人サブちゃんだったのだ。
私は、「フローズン・ダイキリ」を唄いました。
でもこれがお酒の名前だと説明しなかったことが悔やまれます。
そうだよ、みんながカクテルの名前を知ってるということはないのだよ。ってことです。
恵ちゃんともまた。
恵ちゃんは司会もそつなくこなし、こういったことも、どんどん巧みになっているの見て。
恵ちゃんは、これからなんでもできちゃいそうだなあと思いました。
程よい距離感があるので、けっして嫌味になりません。
すぐに、自分と相手と、その周りのいろいろな立場を計算できるのでしょう。
すっかり大人の男です。