稲田さんのほっぺが気になっていた。
謝罪会見など、その顔がアップになるたび、頬のたるみというか、崩れというか。
もちろん、こういうのは加齢によるものであることが原因ではある。
若い日のハリは、もう遥かな夢。
とはいっても、稲田さん、ちょっとどうかなあと思っていた。
頬のたるみは、つまりのところ、表情筋の衰え。
以前、ボーカルトレーニングに行ったとき、まっさきに先生にいわれた。
口角を上げてください。
唇の端をににっとあげ、上の歯を見せる。
こうすると、発声はクリアになり、明るくなる。
ついでに、頬もしまる。
ということは、この反対だと、声は暗くくぐもり、言葉がはっきりしない。ってこと。
こんなときの例えにだすのもなんだけど、あのトランプさん。
真っ白く手入れして若さを強調した歯を、これでもかと見せつける。
上の歯をきっちり出して、それこそ「はっきり」しすぎる発言をする。
そこいくと。
日本の政治家はたいていもちゃもちゃしてる。
だいたいが、はっきりいわない術を使うのが、政治家というものなのか。
だから、上の歯は、見えなくなるし、頬もたるんでくる。
笑う。
これが、対策としてはめっぽういい。
だけど、笑う、ってことも、この国の政治家には、ムズカシイことのようだ。
ヘラヘラしてんじゃない、なんていわれかねない。
かくして、稲田さんの頬は、どんどん退化していった。
ところが。
先日の辞任。
記者に囲まれた稲田さん、笑顔を見せた。
上の歯もしばらくぶりに見えた。
「ホッとした」感が、伝わってきた。
良かったね、稲田さん、といっていいものかどうか。
むむむ。
口角下がっちゃうなあ。