あまりの寝苦しさに、夜中目が覚め。
むくと起きあがり、なんちゅうことなく、そこらの引き出しを開けてみた。
こんなもんたちも、整理せにゃあならんなあ、と考える。
だいたいが、もういらないものだらけに違いない。
ぽとんと、カード入れが落ちている。
なんだこれ。
見ると、数々の診察券たちだ。
平成一年というのもある。
電話番号の初めが3桁なので、その古さもわかろうというもの。
膨大な数の診察券だ。
行ったことのないような場所の病院もある。
でも、確実にそこに行ったのだ。
おそらくワラをもすがる思いで訪ねたのだ。
内科も婦人科も整形外科も、耳鼻咽喉科も。
クリニックも、総合病院も診療所も。
まさにオンパレード。
若いころ、こんなに軟弱だったのだなあ。私。
こんなに、いつも体調不良だったのだなあ。私。
そうだ、だいたいが、若いってのはそういうものだ。
なんたって、なんでも初めてだもの。
今ぐらい年くってきたら、たいがいのことは予想がつく。
これをこうすればこうなるな、とか、これはこういうものの前兆だな、とか。
だから、こういうふうにせねばな、とか。
用心深く、慎重になって、あれこれをやり過ごす。
そのせいか、今使う診察券の数は驚くほど少ない。
いや、自分の診察などに時間を使ってる余裕はない。
老親の診察券の整理が、私の任務だ。
捨てちまおうかな。
古い診察券を見ながら思い、やがて寝た。
ったく。
なんでこんなに暑いんだ。
で。
今日から青山マンダラで公演です。
ビールもあります。
よろしければお出かけください。