五木ひろしさんの音楽番組。
「日本の名曲 人生、歌がある」
この番組には、最初の回からお声をかけていただき、今でも、年に数回出演させていただいている。
最初こそ、時間配分やら転換やら、探りながらの状況だったけれど、あっという間に、きっちりとシステム化され、それはもう見事だった。
沢山の歌い手たち、そして30人近いバンドメンバー、数えきれないスタッフ、それを束ねる演出の疋田さん、そして親分といっていい五木さん。
この構成は、もうとことんムダがなく、しかも歌い手にとっては様々な挑戦ができる楽しみがある。
今回はこの曲を歌ってください。
と提示された歌たちとの出会い。
あるいは、この曲をこの方と唄ってください。
というさらなる出会い。
提示され、自分のキーを伝えたら、あとはもう当日。
音リハと本番。
その二回で、きっちりこなさねばならない。
これはなかなかスリリングで、でも、楽しみなことではある。
なんたって、まったく想像もしていなかった歌やデュエットの機会をいただけるのだから。
まったくありがたいことだ。
昨日。
林部智史さんと「夏をあきらめて」を唄った。
林部さんは、「泣き歌の貴公子」というキャッチコピーがあるくらいで、その声の持つ独得の切なさ、美しさには、ずっとひきつけられていた。
この日も、テレサ・テンさんの歌のカバーが、それはもう見事で、思わず、「徳永さんのあとは林部さんですね」などと言ってしまった。
女性の恋心系の歌が、彼にはことのほか似合う。
雑味のない、素直な唄い方が、より切なさを際立たせる。
声の持つ魅力だなあ、と感心しながら、ご一緒できるうれしさに心が躍った。
デュエットというのは不思議なもので、この人がどういう人なのか、どういう歌い方をしているのか、というのが、よくわかってしまう。
リスナーとして聴いていたときには気づかなかったことに気づいてしまう。
たとえば。
ああ、こういうふうに、次の音を出していくんだなとか、そのタイミングの微妙な違いとか、ため方とか。
これはもう様々で、一人として同じということがない。
でも、デュエットはそれだからオモシロイ。
音楽は、歌は、それだから楽しい。
で。
その林部さんとのデュエットも、もちろん楽しくうれしいものだった。
若い林部さんはもちろんだが、あろうことか、私もこの歌を良く知らなかったので、とにかく一生けん命覚えるしかない。
リハと、本番と。
微妙にふたりとも違っている。
それがまた良い。
ああ、こうして共同作業をしているんだという気になる。
さて、どのようになったのか。
放送は8月だそうです。
ちなみに、この回では「一本の鉛筆」も唄っています。
キム・ヨンジャさんに、「いい!シャンソンみたい!」とほめられました。
うれしい。