好きな歌。

 

もしかしたら、その中でも一等賞かもしれない歌。

 

「1000のバイオリン」「1001のバイオリン」

 

どちらも同じ、ブルーハーツの歌だけど、バックが、バンドかバイオリンだけかの違い。

 

 

 

ヒマラヤほどの消しゴム一つ

 

 

ずいぶん前、この言葉がテレビから流れてきたときはぶっとんだ。

心を殴られた気がした。

たしか缶コーヒーのCMだった。

 

 

 

ミサイルほどのペンを片手に

 

 

また、もっとぶっ飛んだ。

 

 

 

何なんだこの歌。

 

心がわさわさして、いてもたってもいられくなって。

何かが心のそこでスパークした。

 

 

お前自身の火花を忘れるな。

そんなことをいわれた気がした。

 

 

 

 

でも、それからずっと、この歌から離れていた。

 

 

ところが。

 

スタッフツヅラがかかわっている映画でまた。

その名も「ブルーハーツが聴こえる」

 

 

ブルーハーツの歌から五つの物語が展開する映画。

 

 

その最後が「1001のバイオリン」

 

 

 

福島の避難区域から東京にでてきた一家。

鬱屈するトヨエツが、自宅に置いてきてしまった犬を探しに、地元に残ったミウラ青年と福島に向かう。

 

 

 

荒涼とした福島の景色。

 

どっかで犬の遠吠えが聴こえる気がする。

 

 

命がそこにある。

 

たしかにどこかで命は続いている。

 

太く、したたかに、どっこい生きている、生きてやる。

 

 

空と地面の間で立ち尽くすニンゲン二人。

 

 

 

そんな映像の中、聞こえてくるバイオリンの音。

それこそ1001のバイオリン。

 

 

 

ヒマラヤほどの消しゴムひとつ

楽しいことをたくさんしたい

 

 

 

 

お前、ちゃんと生きてるか。

 

またぐっと胸ぐらをつかまれた。

 

 

 

 

 

 

うねるバイオリンたち、しなるバイオリンたち。

 

その中で叫ぶようにうたう甲本ヒロト。

 

 

 

ああ、歌ってなんてスゴイ。

 

 

 

(ちなみに、このバイオリンのアレンジ、金子飛鳥さん。

ちょうど一年前。再会を喜びあったのはチェルノブイリ博物館だった)

 

 

 

ミサイルほどのペンを片手に

おもしろいことをたくさんしたい

 

 

 

真島昌利の言葉は、それこそ宇宙のようだ。

デカい宇宙のようだ。

 

 

 

細身のジーパンはいて、大股で歩きたくなった。

 

 

空を上るように歩きたくなった。