宅急便の配達ボックス。
留守の時に、そこに入れておいてもらう便利なもの。
集合住宅には、たいてい設置されているものだが、私の住むマンションでちょっと困ったことが。
「空き」がなくなってしまうことが多発したのだ。
いつ頃からか、こうして「空き」がないためいつになっても受け取れないと、住民から管理会社に苦情が入ったのだった。
どうも半分くらいは機能していないようだ。
いったいその中身はどうなっているのか。
とはいえ、すぐさま、はいと開けることもできない。
これがプライバシーというやっかいなやつだ。
3月20日に、中を調べます。
と貼りだされたのは、それより何か月も前。
管理会社もこうして気を遣う。
で。
その日の夜。
帰宅すると、また貼り紙が。
結果報告だ。
取りだしてみたら、全部が同一人宛ての宅配物であったこと。
それは、その親戚に郵送することにしたこと。
鍵はもう紛失しているので、あらたに作ること。
ふうううううん。
なんだわかったようなわからんような。
でも、きっとその住人はいなくなってしまったのだな、と思った。
ところが。
昨日、玄関脇で古くからの住人のおじいちゃんとばったり。
「そのかたが引っ越されたんですね」というと。
「いいえ、おられるんです・・・」
「え?・・・・」
それ以上のことは話さないことが、ルールのような気がした。
それは誰かとか、なんでとか、そういったことに触れないこと。
これが都会のルールってやつか。
いや、都会の謎ともいえるだろう。
そういえば。
ポストを開けない、という人だっているようだ。
もう何がなんだかわからない。
ちょっと前の「常識」が、もう通用しなくなってきている。
当り前なんてことは、もうないのかもしれない。
「あたりまえだのクラッカー!!」
子供の頃、みんなでよく真似をした藤田まことさんの決まり文句が浮かんだ。
あたりまえだのクラッカー!!
ポスト確認も、郵便物確認も、ちゃんと鍵開けることも、それを返すことも。
やっぱり。
あたりまえだのクラッカー!!