仙台に向かっている。


6年前にも仙台に向かっていた。


あの日も今日と同じように、きらきらと朝陽がまぶしくて、ホームに入ってきた新幹線の車両が濡れたように光っていた。



ずううっと疲れのようなオリのようなものがたまっていて、できるなら唄いたくないなあと思っていた。



そして。
唄えなくなった。


それどころではなくなった。

唄える。ってことがどんなに幸せなことか知った。



今朝。

石巻の友人からメールが届いた。



不動町の新しい集会所が今月末に落成式を迎えるというのだ。


川べりで泥に埋まった集会所で、震災3カ月後に、歌を唄った。


町会の皆さんが、ブルーシートを張り、雑巾で柱を拭き、用意してくださったコンサートだった。

涙が出た。



その集会所はもうない。

生まれ変わったのだ。




これが6年。


私は何をしたのだろう。
歌の文句のようにふりかえる。


わからない。



でも、仙台に向かう。

良い天気だ。

幸あれ。

幸あれ。

幸あれ。