カタルシス。
この言葉ってよく使う。
よく使われる。
なんだかよくはわかんないけど、わかった気になって使う。
あのお芝居、あの歌、カタルシスあるよねえ。
というと、もちろんほめ言葉だ。
調べてみると、「浄化」。
もともとはアリストテレスからきてるらしい。
というから、人はずっと「カタルシス」と関わってきたということだろう。
カタルシスを求めてきたということだろう。
ああ、すっきりした。
良いお芝居やドラマや映画や音楽を聞いて、泣いたり笑ったりして。
帰り道、そう思う。
ああ、すっきりした。
これが魂の浄化なんだなあ。
だから。
歌にもカタルシスはぜったい必要だ。
ここで、盛り上がってほしい、と思われそうなところで、やっぱりずんずんと盛り上がる。
その反対に、盛り上がってほしいとこでちょっとはずしたけど、次なる手で聴き手は納得してしまうやりかたもある。
いろんな方法はあるだろうけど、やっぱりカタルシスは必要だ。
ただ難しいのは、それがあまりに陳腐にならないこと。
ここで静かに始まって、ここでだんだん盛り上げって、ガーンといって、また静かになります。
的な予定調和になってくると、そればかりになると、とたんにつまらなくなる。
このあたりの塩梅はムズカシイ。
環境音楽のようなものだって、もちろんカタルシスはある。
「繰り返し」に、高揚する人の気持ちがある。
なんで、こんなことを書いているのかというと。
今、とても迷っているからで。
新曲の歌いかたに、ああだこうだ迷っているからで。
昨日のスタジオ作業のあと、どうも割り切れない思いが募って。
今朝。
やっぱり歌はカタルシスだよ、と思ったのだった。
なので。
いろいろな助言は助言として、好きなようにやらせていただきます。
私も人生かけて唄ってるんで。
後悔のないよう唄いたいと思います。
て。
なんだか力入っちゃったなあ、朝から。