久しぶりにリハーサルをする。
といっても一時間。
ピアニストの大貫さんと小さなスタジオで。
一時間なので一時間でできることをする。
できることしかしない。
何かを探って、などというには一時間は短い。
とにかくリハーサルが苦手だ。
さっさと終わるに越したことはない。
こういうニンゲンが音楽にかかわっていていいのかと思う。
こんなナマケモノでいいのかと思う。
向上心なんてものが、あるのかと思う。
あります、と声を大きくして言いたいが、なんとも言い難い。
生きてる、それだけで精一杯な感じがする今日この頃では、向上心なんてもの自体がいらない気もする。
いや、もともと向上心のないタチではあった。
練習ぎらいな性格だった。
練習場からフラッと消えて、映画館にいってしまうニンゲンだった。
でも、うしろめたさは残った。
しょせん小心者なのだ。
そこへいくと亡くなったオヒョイさんはすごい。
ひょいひょいと、身をかわすように、苦手な現場から姿を消していたという。
それが彼の処世術だったのだろう。
誰も傷つけない、自分も相手も。
そういう彼独特の生き方だったのだろう。
オヒョイさんがやっていたワインバーに、行ったことがある。
近くに住んでいた友人夫婦に連れられて。
三人でしこたま飲んで、あげく、タクシーにバッグを忘れてきた。
やっぱり若かったなあ。
こんな言葉でククルのは悔しいけど、やっぱり若かった。
生き続ける。
歩いて、寝て、息をして。
こんなことのかけがえのなさ、しんどさ。
生きるって、やっぱり長距離だわ、つくづく思う。
昨夜、コント番組「LIFE」で、星野源ちゃんが。
「ぼく100歳まで生きたいんです」
生きて生きて、やりつくして、死にたいんです。
若くして大病をした源ちゃんだからこそ、こんなふうに言えるんだなあ。
うううむ。
よっしゃ。
オバサンもがんばりまっせ。
(なんで関西弁なんだよ)