いやあ。困った。

 

 

今度の「困った」は、邦楽。

 

 

来月早々、京都で行われるコンサートイベント。

 

笛の名手藤舎貴生さんプロデュースで、松本隆さんの言葉たち、若村麻由美さんの朗読。

 

 

どうやら「古事記」を下敷きにした演目らしい。

 

 

らしい。というのもなんだけど。

 

 

私は、私にわりあてられた楽曲で四苦八苦している。

 

 

全体のことを知る時間がなく、余裕もない。

 

 

 

 

昨日、琴とのリハーサルをしたのだが。

 

まだ若い琴奏者一郎さんは、譜面も見ない。

 

 

邦楽は譜面を見ていてはできないということらしい。

 

おそるべし。

 

 

「これは言葉もメロディも簡単ですから」

藤舎さんのメールに安心していたら、とんでもない。

 

 

それは邦楽をやっている人にとっては、という注意書き付きだとわかる。

 

 

 

わかんないよお。

 

どこで出るか、どの音なのか、わかんないよお。

 

 

 

思えば、小節とか音程とかって、西洋式の考え方だった。

 

 

そんなもん、日本の音楽にはなくて当り前だった。

 

 

そうだったそうだった、そんなもんだった、とアタマではわかったが。

 

 

 

あのお、この音っていったいどれなんでしょう。

 

夜、天井にむかってため息をつく。

 

 

 

音楽。と一言でいうけど。

 

 

こんなに違う。

 

 

 

古典。クラシック。

 

それは洋楽でも邦楽でも、ただならぬもの。

 

長い年月と方法とで築きあげられたシステム。

 

 

 

そうはいっても。

 

 

この夏、ナンチャッテクラシック歌手をやってしまった私。

 

もうこうなったら、冬にはナンチャッテ邦楽歌手になる。

 

 

 

これを「やぶれかぶれ」といわずして何といおう。

 

 

 

もう「ヤブレカブレ歌手」だ。私。