わんさわんさと人が出入りする。
昨日と今日と。
中野サンプラザで歌手協会のチャリティーコンサート二日間。
私は会員ではないのに、毎年お招きいただいている。
理事の合田道人さんのご好意によるものだろう。
その合田さんの書かれた「童謡の謎」の中の一つ、「シャボン玉」。
この一章を、昨日は倍賞さんが朗読された。
私は倍賞千恵子さんが大好きだ。
大好きなどとはおこがましい。
ただただ尊敬している。
もしかして日本で一番の女優さんだと思っている。
それは寅さんの「さくら」を見れば一目瞭然。
倍賞さんの演技は、もう演技じゃない。
どこまでが倍賞さんで、どこからがさくらさんかわからない。
役が憑依したというのでもない。
そんな暑苦しさはない。
ただ、すとんと一人の人物があらわれる。
ニンゲンのもつ善意が体現されたような女の人が、ただそこにいる。
倍賞さんという人は、麻のような人なのではないかと思う。
木綿というより麻。
絹というより麻。
すぐに水を通し、でもさっと乾くとパリッとして、前の面影を残さない。
未練なんか残さない。
潔い。
だから。
倍賞さんの読む「シャボン玉」は、よけい心にしみる。
悲しい物語が、淡々と乾いて、純粋な悲しみが浮かび上がる。
ああ。
倍賞さんて、ほんとに好きだなあ。
と舞台袖で聞き、それからその倍賞さんとデュエットをした。
「誰のための愛」。
合田さんが作曲され、倍賞さんが唄われたものを、今年初めカバーした。
そのご縁もあって、そして、私が倍賞さんが好きだ好きだというのを聞いておられたせいか。
合田さんが、こういう形をセットしてくださった。
私にはプレゼントというしかない幸せ。
そして。
今日は昼夜と出演いたします。
昼は「一本の鉛筆」。
夜は「風に吹かれて」。
たくさんの歌手のかたがたが出演されます。
まさに「歌は世につれ」を感じていただけると思います。
さ。
そろそろ支度してでかけましょ。
なんたって歩いていけちゃうのだもの。
ああ。ラッキー。