熊本の地震は、おさまるどころかどんどん被害が大きくなっている。



活断層ってやつは、大分にも伸びていて、そこに住む知人にメールした。


生きた心地がしないという。




ずうっと続く揺れ。


ただ息をひそめ、この災害をやり過ごす時間。





テレビから、かんかんかんと緊急地震速報が流れる。



自分の地域にではないのに、身がきゅっと固くなる。





「これから大きな揺れが来ます」



こんな速報に、五年前はいつもおびえていたことを思い出す。





さあ、これから来るんだ、来るんだ。


みんなで乗り越えなきゃならんのだ。





この感じは、まるで「波乗り」のようだった。


波乗りなんて、なんて不謹慎なと思うものの、なんだかそんな感じだった。





その大きな波は、予想以上に大きかったり、ほとんど感じなかったり。





夜はほんとにコワかった。



お風呂は、いつでも着て逃げられるよう服をたたみ、あっという間に出た。


パジャマも、そのまま避難できるジャージにした。




そんな悪夢のような日々を、今九州のかたがたが過ごされている。







この大地の上に人が住んでいなくて、ただの大地だったらどんなんだろう。


そんなことも考えた。






もちろん建物がつぶれることもないし、橋が切断されることもない。


大火事もないし、当り前だけど死者もいない。




ただ、大地が揺れて、ところどころ裂け目ができて、時には、海から波が大地にやってきてはまた戻る。





それは、想像してもなんとも静かなもののように思えた。







地球って、もともとそういうものなんですよ。


天の声がするような気がしたけど。


でも、もう人はそこに生きて住んでいるんです。


ここで生きるしかないんです。


ですから、どうか早く収まってくださいませ。



と、どの神さまに言っていいかわからないまま、ただ祈る。