はかま満緒さんが亡くなった。



はかまさんといえば、その昔は、テレビ画面にも登場してその場をかっさらっていくような放送作家だった。




そのはかまさんと実際に会いしたのは、十年近く前か。




「日曜喫茶室」というラジオ番組で、マスターをしておられた。





その番組に二回か三回お招きいただき、その後、また違う局のラジオ番組にも。





今思えば、はかまさんの「晩年」におつきあいいただいたことになる。






初めてお会いしたときだったか。


越地吹雪さんのお話をしたら、その時だったか、その次だったかに、ちっちゃなパイプを持ってこられ、それを私にくださった。




そのパイプは、タバコにくっつけて使う、使い捨てのようなもの。


タバコ屋さんでよく見かけるようなものだった。







「これ、越路さんが使ってものだよ」




え?



「それいいね、とかいったら、じゃああげるっていって、口にくわえてたパイプをぼくにくれたの。」



ええっ。



「で、自分は新しいの出してさ。越路さんらしいよね」



あははは。



「だから、DNA鑑定したら、そこに越路さんいるはずだよ」



うわわわ。








懐かしい思い出だ。



そのパイプ、大切にしてたはずだが、さてどこにしまったか。






そういえば、はかまさん、どうなさってるんだろう。
なんて思い出したころに、亡くなってしまった。








もしかしたら、はかまさんはその死を、誰にも知られることなく天国に移住されたかったかもしれない。




ものごとはスマートに粋にね。



長身でおしゃれなはかまさんの姿が浮かぶ。






ありがとうございました。はかまさん。