横須賀は、やっぱりヨコスカだ。


ヨコスカは「港のヨーコヨコハマヨコスカ」だし、「百恵ちゃん」だ。


「どぶ板通り」だし「横須賀海軍カレー」だし、「スカジャン」だ。





ヨコスカは二回目。


今回はBSジャパンの音楽番組の収録。


楽屋をホテルニューヨコスカに置き、目の前のナントカいうライブバーが収録場所。



何十年も毎晩、タバコの煙と、嬌声にいぶられたような店は、凄味さえ漂う。



港のヨーコだっていたに違いないと思える。






オールディーズとムードコーラスとデュエットに的を当て番組は進行する。


田辺さん九重さんご夫婦、ロス・インディオス、安倍里葎子さんの面々。


作曲家の弦哲也さんと、なぜか私が司会。





ちょっと前に、司会で歌も唄うよ言われ、あわてるより先に開き直ってしまった。



別に殺されるわけじゃなし。





それも、やはり弦先生をはじめ、先輩方がしっかりされてるという安心感からだろう。




そして、やはり、その先輩方のお話は面白く、収録は無事終了したのだった。






今回の特筆事項はなんといってもロス・インディオスの皆さんと「別れても好きな人」を唄ったことだろう。



ムードコーラスという、独特のジャンルに、まさか参加できるとは。




わかれてもー すきなひとー
わかれてもー すきなひとー





「この二人、いったい一晩でどのくらい歩いたんだって話ですよね」

車で送り迎えしてくれたスタッフヤマザキがいう。




なるほど、歌詞をみると。




別れた人に渋谷でばったり会って、そこから原宿、赤坂、高輪、乃木坂、また赤坂一ツ木通り。



雨のなか、傘もささずにこの二人は歩くのだ。





やっぱり、いいわあなたが。忘れられないわ。


主人公の女は思う。





ふむむ。

これ、男の願望だな。


はたして作者は佐々木勉さん。






オンナはたいてい、別れたら、すっきり次へと歩いて行っちゃう。

済んだことは済んだこと。

人生は上書きですから。




そうはいかないオトコの湿り気が、でも、こういう名曲を生むんだなあ。



ふむむ。納得。