五反田に行く。


毎年恒例の歌手協会のイベント。



私は今年で三回目になる。

それに今年は二日間とも出演。




場所はゆうぽうと。



中野のサンプラザと同様、ここも壊される運命にある。


昭和の名ホールたちは、かくして、終焉を迎えるのであります。





とまあ、それはそれとして。



雨の降り続く中、そのイベントのリハーサルに行ったのだけれど。

駅からとぼとぼ歩いていると、ゲームセンター。



UFOキャッチャーが並んでる。



この前、TBSの玄関で、おそるおそるやってみたら、グデタマ、つうミョーなものをゲット。



それをスタッフツヅラがすごく喜んでもらってくれた。



それで、なんだかすっかり気分をよくして。





これからリハだってのに、100円をいれてみる。


あ、失敗。

もう一回。


あ、失敗。





「あのお、お気に入りのやつ、前のほうに出しますよ」



「ええ?」





見ると、お店の男性がゲーム機の鍵を持って立ってる。




「それって、ズルじゃあないんですか?」



「いえいえ、そんなことでは」





もう帰ろうとしてたのに、じゃあ、てんでそのお気にいりをちょこっと前にだしてもらう。



あんまり意味ないよなあ、これ。

と内心で思いつつ、また一回。



失敗。




あーあ。


お店の男性もがっかり。





これで終わりじゃあなんだか悪いので、もう一回。




やっぱり失敗。



「あーあ。」



二人で声をそろえる。






じゃあ、これで終わります。どうもありがとう。





店を出ると、相変わらず雨だったけど、なんだかいい気持ちがした。



博徒になったような気分。


ちょっくらそこらで「遊んで」来ました、って感じ。




UFOキャッチャーで博徒もなにもありゃしないのに。




どうやら、ココロの奥底に憧れがあるんだなあ。



健さんや池部良さんになりたいんだなあ。わたし。



そうか、そうなんだ。


ああ、おどろいた。