水道橋という駅がある。


後楽園遊園地、ドーム、などもあるところ。



その反対側は、大学も多く、文教地区な雰囲気。


そして予備校も、ある。


高校三年の夏休み、「研数学館」という予備校に行った。



受験生たるもの、夏休みには予備校でしょ。


と。

なんだかわからんが通った。





その「研数学館」は、古い趣のある建物で、なかなかのものだった。


でも、どんな授業だったか、まったく覚えていない。



通うことに意義ありなので、しかたがない。


こんなんでいいんだろうか。


帰りに水道橋の駅のホームから、通ってる道を見てはため息をついた。


暑さの中、ため息をついた。







「研数学館」は、今もあった。


あのころから古かったのに、今もそのままあった。



昨夜、そのあたりを通り、まじまじと眺めた。


「研数学館」は「館学数研」と書かれていた。




そのくらい古い建物だった。





へえええ。そうか。そうなんだ。


そんなに古かったんだ。


なんだかひどく感動して、それから目的地のバーに急ぐ。



時々、そのバーで集まりがある。



そこらあたりは、もう神保町といっていい場所。




ところが。


何回行っても、道に迷う。




どうして迷うのかわからない。


わからないけど迷う。


さんざん迷って、たどり着く。



迷う時間も込みで、出かけねばならない。



そして。

行くたびに思う。反省する。




ちゃんと目印確認して、道筋きちんと覚えろよ。





でも、毎回、迷う。


バカじゃないかと思う。



そして、また思う。



今日こそ、帰りに、きちんと確かめよう。







そんなこと思いながら、なんとかたどり着く。




そこで人生の大先輩を交え、ワインを飲む。





ふむふむふむ。


なあるほど。


いやあ、そんな。


がはははは。




と、二時間あまり。




また、良いお話が聞けました。





ほろ酔いでいい気分で、駅に戻る。



そして気づく。



あ、また店の道順確かめるの忘れた!





こうして、次回もまた迷う。ことになる。




迷うことが楽しみ。



もうそういってしまおうか。