ネットを見たら、オレンジ色の服を着させられた日本人二人が、ひざまづかせられている。


間に黒服の銃を持った男。


まさかまさかの、イスラム国人質。



ついに来たか。




その前日のニュースで、安倍さんが、「イスラエルと緊密な関係を」と力説していたので、イヤな予感がしていた。



私にとって、イスラエルはガザを攻撃する国だ。



イスラエルに行った知人は言う。


「戦争してるなんて忘れるほど豊かです」


「イスラエルの人でも、ガザ攻撃に批判的な人はいるけど、たいていは相手を人間としては見ていない気がします」



もちろん、その人の個人的感想ではあるけど、豊かな国と貧しい国という区別は正しいと思う。





以前、アフガニスタンの学校の写真を見た。


学校といっても、まるで廃墟。


子供たちは、砂と土の上に座って、勉強している。



それまで遠かったアフガニスタンが、急に近くなった。



そうか、こんなふうに子供たちは生きているんだ。




その頃、アメリカからの映像も送られてきた。


緑いっぱいの庭を背に、戦争について語る主婦は、パンパンに太っている。




別に太ってることが罪ではない。


罪ではないけど、やりきれない。




痩せたちっちゃなアフガニスタンの子供が、頭から離れない。


この子達は、今ちゃんと生き延びてるんだろうか。



やっぱり、やりきれない。




イスラム国はひどい。


ひどすぎる。



でも、そんな国を誕生させた原因がある。




憎しみが世界を覆う。



どんどん覆う。




今は、人質の二人が、奇跡のように生還することを祈るだけだ。


それしかできない。




やりきれない。