東京でのディナーショーは久しぶりだ。



前回は、俳優の西岡徳馬さんをゲストにお迎えしたもので、まだスカイツリーもできていなかったころ。


このディナーショーの企画をしてくださったのが敏トシさん。


「花のメルヘン」という名曲を作られた人だ。



その敏さんも、アチラに引っ越されて何年にもなる。




それ以来ということだ。



両国にあるホテルは、スカイツリーも東京タワーも見えるらしいが、なんたって天気が悪い。


それでも、多くのかたが来てくださった。



本当にありがたいこと。



当たり前だが、ほとんどのお客さまは、知らないかたがた。



その皆さんが、熱い歓声で迎えてくださる。



なんて、幸せな仕事をしているんだろうと思う。




私の歌たちは、どうもディナーショー向きではない。


命のこととか、平和のこととか、そんな歌も多い。



安曇野でも、東京でも、そんなプログラムで唄った。



それってどうなのかなあ、いいのかなあと迷ってもいた。



でも。



驚いたことに。



シーンと張り詰めたような、まるでコンサートのような雰囲気で聴いてくださる。





終演後のサイン会で。



「ボクね、百回くらいこういうディナーショー来てるんだけど、CD買うの初めて」

と、私と同い年だという男性。


そのそばで「そうなんです、CD買おうっていうんでビックリしました」

と、かたわらの奥さま。




安曇野でも、東京でも、こんな感じだった。



ダイジョウブなんだ、これでも。



このことは、失礼な話だけど、お客さまへの「信頼」になった。



もっというと、私という歌い手が、歌を届ける方々が、きちんと「見えて」きたということ。



そうか、こういう方々が私の歌を待っていて、受け取ってくださる。



この喜びは、大きい。




来年。


自信を持って、唄っていける、そんな心持ちだ。





やっぱり、歌い手はお客さまに育てられる。



そんなわけで、精進いたします。



まだご挨拶には早いですが。



来年もひきつづきよろしくお願いいたします。