楽屋が畳だと、入った瞬間、戦闘態勢が半分くずれる。
寝転がっていると、ますますくずれる。
川口リリアホールは、はじめて。
出演者が15人。
それにオーケストラということで、楽屋の割り振りは、むずかしい。
広い集会所みたいなところを、パーテーションで区切って、っていう場合も多い。
さまざまな工夫でできあがった楽屋というのも多い。
今回は和室を区切ってバージョン。
テキトーなものじゃなく、きっちりと固定されたパーテーションで、でも、音はつつぬけ。
お隣は今陽子さんと、夏川りみさん。
双方の楽しそうな笑い声など聞きながら、ごろんごろんする。
窓の外は、マンション。
川口はマンションの街になっている。
私が育ったころの「キューポラのある街」では、もうない。
ホントだったら、駅前あたりをうろうろしたいところだが、なんだかダルイ。
ひたすらごろんごろんする。
旅館な感じがしてくる。
「サントワマミー」。
指揮者の藤野さんがアレンジもしてくださっている。
開口一番。
「ぼく、美野さんに、電話かけました。これ使ってもいいですかって。
いやあ美野さん素晴らしいアレンジですよね」
美野さんは美野春樹さん。
もうずいぶん前に出した、越路さんトリビュートアルバムのアレンジをしてくださった。
この音源をもとに、さらに重ねられた弦の響きは、もうとろけちゃうような甘美さ。
ずきんずきんしちゃうね、っていう笑顔で藤野さんがタクトを振る。
冬になったような寒さの中、こうして収録は無事終了。
赤羽から電車に乗る。
人身事故があったとかで、新宿駅が混雑している。
あの甘美な弦の響きが、もう遠い夢のよう。
やっぱりシャバはしんどい。
そんなこと、あったりまえだのクラッカー。
さて。
今日も明日も収録です。
五木さんの番組なので、五木さんとは三日間ご一緒ってことですな。
今日は生まれて初めて唄う歌、二曲。
どうなりますやら。
うむむ。