突然 携帯電話が鳴った


父親からだ


やばい



とってみると


やっぱり  やばい



母親が 転んだという

どうしていいか わからんという



松本清張ドラマを 見ていた私は



あわてて  自転車に乗る




実家にいくと


母親が 転がっていた


右を 下にして



顔には みたこともないタンコブ


手は みたいこともないネジレ



こりゃもう あかん



すぐに 救急車を呼ぶ





救急車と一緒に 警察もくる


自転車事故だからだ


警察のおっちゃんの 息がくさい


見ると 歯垢だらけ


がまんして 話をする




そして 救急車に同乗して


なんとか みつかった病院へ




母親は 寒いという




検査の結果


右手首 左親指


両手が 骨折



顔は お岩さん状態




師走で 専門医がいない


あわてて 呼び出す



医者も たいへんだ


申し訳ない




結局


10時前に 病院を出る


うまく歩けない母親は


タクシーに乗るまで


車椅子だ




  クミコ 車椅子下手だねえ



と コンサートで鎌田先生に


からかわれたこと 思い出す



そりゃ 慣れてないからなあ




家へつき


食事をさせ


クスリをのませ



なんてことない 日常のあれこれが


どれもこれも ひどくむずかしい



服なんて


ギブスはめた手を 


どう通していいか 


困難だ



自分の部屋に 帰ってきてからも


眠れない



なにを 着せたらいいか


なにを どうしたらいいか



頭が ぐるぐる まわる




さて



これから 


実家に 向かいます



今日はもっと ベストつくそう




ちなみに 母親という人は


実に 慎重な人ではあります


オオマガトキ


そんな 言葉が浮かびます



避けようとしても 


避けられない 魔の時



きっと そこを 渡ってしまったんでしょう




まあ がっくりしても しゃあない


行ってきます!