二本松は 初めての街だ
郡山へは 行った事があるが
そこから乗り換えて 20分弱
窓の外は 暗い雲
そして それを灰色のキャンバスにみたてたように
より鮮やかな 紅葉
放射能が 見えないものでよかった
そんなこと 思ってしまう
駅について 会館までタクシーに乗る
被災地では 言葉に神経を使う
ちょっとした冗談でも
それではすまないことがある
人を傷つけるのは
傷つけているほうには わからない
でも 傷つけられたほうには
ずううっと その痛みが残る
二本松は 菊人形で有名だ
あのあたりが 会場の山です
と
運転手さんが いう
でも今はずいぶん 小さくなって・・・
言葉が 消えていく
福島で 放射能のことを話すことは
できない
それは たしかに「ある」けど
そのことを 話題には できない
当たり前のことだ
みんな そこで暮らしているのだ
わあ すごい!
思わず 声になるほど
会場の外の 木は
へんないいかただけど
コンピューターグラフィックスみたいに
くっきりと この世ならぬ色合いで
こわいほど美しい
そこで 新婦人の会
ミニライブを する
30分といわれていたけど
アンコールもあって 延長
汗だくになる
福島の女性たち
あえて おばちゃんたちといいわせてもらおう
そのおばちゃんたちは
本当に 明るい
それも 苦しみを乗り越えた明るさだ
私も 自慢にはならないが
やっと 苦しみを すこおし乗り越えられた
そんな気持ちが ここ一ヶ月くらい
している
だから
私たち おばちゃんは もう強いのだ
うん
強い のだ
強くて 明るい のだ
帰りのタクシーは
また 同じ運転手さんだった
写真 撮った?この木
と
この世ならぬ 紅葉の木を指す
行きより 口も軽く
同行のスタッフツヅラと おなじ福島弁で
話している
小学校以来です 二本松
そっかあ
郡山で 乗り換え時間の合間
うどんを 食べる
またお越しくださいねえ
店員さんの 言葉が
背中を おいかけ
また来なくちゃ
ね