私は自分の体験を振り返ってみると、ダイエットに、はまってしまっている時は、今の自分がいやなとき、自信がなく心が負けてしまっている時、輝きのない自分に失望していた時だったように思います。

この料理家という目標を見つけ、この道で突き進むことで、私は健康をとり戻してゆくのですが、今の時代、「何のために生きているのか」「私の目標は何なのか」見つけることはとても難しいように思います。

自分の輝くべき場が見つかった私はとても幸せでした。

人は本当にしたいことが見つかると強くなれます。くるしいことでも努力してみようという気持ちがわきます。一生懸命何かに打ち込むといい疲れが味わえ、ぐっすり眠ることができます。そしてお腹がすきます。ご飯もおいしく食べられます。

心と体のいい循環が始まるように思います。

では

どうしたら目標、生きる張り合い、生きる意味を見つけることができるのでしょう?

私はまず食べることだと思います。

人にはたくさんの欲があります。「こんな自分になりたい」「こうしたい」という目標は欲のひとつです。

人間の欲は、まず、基本的な欲求が満たされて、次の欲が出てくるものだと思います。


心理学で有名なマズローは、五段階層説というものを唱えています。

欲求は一つずつクリアーしないと上に上がれないというしくみだというのです。

1生理的欲求とは、いわゆる人間の三大欲求と言われる食欲・性欲・睡眠欲です。

2安全への欲求とは、自分や家族を危険から守りたいという欲求、

3社会的欲求とは、仲間はずれにされたくない、人から愛されたいという欲求、

4自我欲求(または自律欲求)とは、自分の能力に自信を持ち、また他人からも認められたい、尊敬されたいという欲求

5自己実現欲求(または自己発現欲求)とは、自分の潜在的能力を顕在化させたいという欲求で、この欲求は無限大(満たされることはない)だそうです。


痩せたい気持ちでいるときは、食欲の欲求は絶えず満たされない状況ですから、生理的な基本的な欲求で止まってしまいます。脳はさらに上の欲求を望もうにも、そんな余裕もなく、まず生きることにのみエネルギーを注いでしまっているのでしょう。


目標や自分らしく生きる、は自我欲求や自己実現になります。このあたりまでたどり着けないと目標は見えてこないような気もします。

わたしが、自分の目標を見つけた時、育児から少し解放され、食事も少しずつですがとれるようにはなっていました。主人や両親に守られ、安全も確保されていました。社会的な欲求では、主人は私を愛してくれていました。母も主人の母も育児ノイローゼの私に代わって育児を手伝ってくれて私を理解してくれました。みんなが社会復帰を勧めてくれました。

確かに、1から3まで、完璧ではありませんでしたが、そろそろ、そろい始めてきた時期だったような気がします。


痩せたい気持ちやダイエットにかけてしまいたくなる時は、ダイエットに自分の輝く場を見つけ、自分の心を守るためにダイエットにすがっている状態だと思います。でもそこから抜け出すためには、ダイエットよりもっと大切な生きる意味・輝く自分のある場所・自分で好きな自分でいられるところを見つけることだと私は感じています。


脱け出るためにも、どうぞ少しずつでも食べてください。そして体を大切にしてください。脳と体が求めている生理的な欲求を満足させてあげてください。過食は食べないことの脳の怒りや不安の症状。(ストレスが溜まって過食してしまうこともあります)

脳が安心していられ、周囲に認めて・理解してくれる家族や友達がいたら、きっと天から降ってくるように、新しいなにかが見えてくるような気がします。

未来の自分の充実した人生のために、どうぞ、少しずつ食べて、体の喜ぶことをしてあげてくださいね。