去る10月29日、広島県尾道市にて「広島蘖の会」を開催しました。

 

 

広島蘖の会とは?

 

広島県を舞台に、いわゆる「宗教二世」をはじめ「親や親族が信じる宗教や組織により自身の生活に多大な影響を受け、問題を抱えるすべての方々」を対象にした、少人数の自助的な集いです。

特に、下記の2点を最も大切にしています。

 

①瀬戸内海の美しい景色や美味しい味覚を楽しみながら、参加者同士が少人数でゆっくりコミュニケーションを取れること。

 

②東京圏にて数多く開催される「オフ会」への参加が困難な、中四国および九州沖縄エリアの方々が、可能な限り参加しやすいこと。

 

旅の始まり

 

6月に呉市にて開催予定だった「第2回広島蘖の会」は「お申込みゼロ」でしたが、今回は何ともありがたいことに九州方面より1名の方のお申込みをいただき、加えて道案内役を務めてくださる「広島現地スタッフ」1名の、計3名での道中となりました。

 

いわゆる一世二世(三世)、また所属していた宗派等関わりなく、「蘖の会」を選んでくださった「その人自身」と大切にかかわり、「つながり」を丁寧に育んでゆくのが「蘖の会」のポリシーです。

 

たとえ参加してくださる方がひとりであっても、その「ひとり」を大切に、こころをこめておもてなしします。

 

当日朝一番の新幹線で広島入りしてくださる参加者の方をホームでお出迎えします。

 

 

ご宿泊予定の宿に荷物預け&軽く駅前散策の後に、「こだま」号で尾道を目指します。

(※当初「オプションツアー」として観光列車「エトセトラ」で尾道を目指す予定だったのですが、さすが人気列車。

早々に満席となってしまったために、やむなく代替コースを取ることにしました)

 

先に尾道入りしてくださっていた現地スタッフのNさんと尾道駅改札で合流して、「広島蘖の会」始まりです!

 

 

向島渡船

 

尾道市街と対岸の向島(むかいじま)に挟まれた瀬戸内海はその幅200m程度であり、その気になれば泳いででも対岸に着くことができるほどです。
(実際、数年前に向島の造船作業に携わっていた脱獄囚が泳いで本土に逃走している)

 

その川のような眺めもあり、「尾道水道」と呼ばれています。

 

この尾道水道を渡る「新尾道大橋」を含む7つの橋で、瀬戸内の島々を結んで愛媛県今治市へ至る、全長約60kmの「瀬戸内しまなみ海道」が始まり、自動車はもちろんのこと、自転車でも走破することができ、多くのサイクリストたちの人気を集めています。

 

海峡を渡る橋が整備されると、それまで機能していた船は衰退するものですが、この尾道水道を渡る渡し舟は、現在も複数の航路で頻繁に行き来しており、尾道市民の欠かせない足となっています。

その内の1本、ちょっと竜宮城っぽいデザインの、駅前桟橋から出港する渡し舟に乗り込みます。


 

乗船代はワンコイン¥100。

出港後、船内を回られる料金係のおじさんに渡します。

 

青空と海面を渡る心地よい潮風の中、おしゃべりを楽しんでいるうち、あっという間に対岸へ。

 

 

後藤飲料水工業所

 

下船後、Nさんの道案内で(事前に下見してくださっていたのだ!)20分ほど歩いてたどり着いた「後藤飲料水工業所(後藤鉱泉所)」は、昭和5年創業のレトロなたたずまい。

 

ここでは、オリジナルブランドの「マルゴサイダー」はじめ、昔懐かしい瓶入りの清涼飲料水を楽しむことができます。

 

とても気さくなお店のご主人さんは、元・公務員。

後継者不在、経営危機にあったこのお店を自ら引き継ぐために脱サラされて、お店を盛り上げるべく日々奮闘されているとのこと。

 

「写真いっぱい撮ってくださいね!」と、撮影用のミニチュア看板をご用意くださったり、シャッターを押してくださったり。

サービス精神豊かで素敵なご主人さんでした!

 

…しかし、「栓抜き」とか何十年ぶりに使いましたわ(^^;

(空きびん回収の関係上、店内で飲む必要がある)

 

 

ランチ

 

後藤飲料水工業所から徒歩5分ほどのところにある「兼吉桟橋」から、再び渡し舟に。

ちなみにこの桟橋は、大林宣彦監督の映画「あした」のロケ地になっています。

 

乗船時間はわずか3分。

「日本一短い渡し舟」として知られているそうです。

 

…この日はほんとうに気持ちの良い秋晴れになりましてね。

瀬戸内の「やーおい」(「穏やか」を意味する広島弁)波に陽ざしがキラキラ輝いて、それはそれはきれいでした。

「九州の内陸育ち」とおっしゃる参加者の方も、尾道の美しい海の眺めに大変喜んでくださいました。
 

当日みなせが着ていたワンピースに、参加者の方がお持ちだった日傘がぶち(「めっちゃ」を意味する広島弁)合いましてね。

道中ほぼ強奪状態で過ごしとったとか(笑)

 

ランチ

 

庶民的なお店が建ち並ぶ尾道。

中でも、瀬戸内の小魚でだしを取った醤油スープに背脂ミンチが特徴の「尾道ラーメン」は全国的に有名で、どのお店も大行列が出来ています。

 

そんな行列を横目に見ながら、牡蠣と海鮮の専門店「かき左右衛門」さまへ。

 

瀬戸内海の新鮮な恵みを存分に味わうことができる名店です。

 

ここの売りは何と言っても「かき」!

メニューの「時価」の表記にビビりながらも、ここはやはり注文せにゃあいけんじゃろう!!…と、生牡蠣をオーダー!

(なお、¥300でホッと胸をなでおろしました)

 

そのままでも食べてしまえそうなマイルドな酸味の瀬戸田名産のレモンを絞って、つるりといただきます。


普段、牡蠣はフライ専門、生食はあまり好まない身のみなせでしたが、そんな事情など問答無用で吹き飛ばしてくれるほどの美味しさでありました!

 

併せて注文したカキフライも、普段スーパーの総菜売り場で買っているものの倍以上は身が詰まっていんじゃないかと思うほどプリップリ!

 

「牡蠣が好物」と仰る参加者の方も、本場の牡蠣に舌鼓、大満足していただきました!

 

その他、瀬戸内の味わい、香ばしい「あなご丼」。

 

とれたての海の幸いっぱいの海鮮丼!

 

レトロなドリンクに、瀬戸内の海の幸でお腹もココロも満足!

 

腹ごしらえもできたところで、いよいよ尾道旅の本番。

「千光寺山ロープウェイ」乗り場へ向かいます。

 

 

…と、ここまで書いただけでも、けっこうなボリュームになりました。

 

まだまだ書きたいこと、上げたい写真は山ほどありますのでね。

いったんここまでにして、「後編」へと続きたいと思います。

 

※「京都(滋賀)観光ガイド」として活動中のみなせさん。

尾道はじめとした広島県のプライベートガイド(個人ガイド)も対応しておりますのでね。

広島観光にご興味のある方、ぜひお問い合わせくださいませ

 

 

 

赤川次郎の小説「午前0時のわすれもの」を基にしたこの作品。

原作ではバスでしたが、尾道らしく「船」にアレンジ。

ダイジェストだけでも問答無用で泣きました(TT)