アメリカノースタゴタ州ファーゴ・・・・実際にあった事件の実写版。

アメリカの片田舎、何処までも続く雪原から事件は始まった。

お金持ちの嫁を貰ったカーディーラーの夫はうだつの上がらない営業部長、妻の父(義理の父)の財産目当てに、ある日妻の誘拐計画を企てた。

修理工場を持っていた彼は工員の仮釈放中の男に紹介された男に、妻の誘拐を依頼した。そんな事も知らず妻は通常どうり夫や家族のために家庭の仕事をこなし、ソファーの上で編み物をしている時、夫が依頼した誘拐犯に連れ去られる事に・・・

妻を誘拐した犯人は闘争中、交通関門をしている所に差し掛かる。そこで誘拐犯は上手くやり過ごすつもりが、片割れの短気な連れに警察官の頭を打ちぬかれ、死体をどうにかしろと命令される、がしかし偶然にも通りすがった通行人に顔を見られたため短気な方の誘拐犯は拳銃を手に追いかけ通行人を打ち抜く。

欲に目がくらんだ夫の幼稚な金儲けの方法に翻弄されて、全ての運命の歯車は、狂って行った。単なる金目当ての誘拐が3人を殺害してしまう殺人事件へと事件は展開して行った。切れ者の義理の父は警察に通報することを何度も夫に進めるが、夫は自分の策略がばれるのを嫌い執拗に警察への通報を拒む。犯人は夫の会社のカーディーラーのプレートを着想しているにも拘らず、妊婦の警察官を何とか騙そうとする・・・がしかし娘のために業を煮やし、身代金の受け渡しに行った義理の父親は犯人によって射殺される。

まんまと金をせしめた犯人はその後帰宅・・・誘拐してきた妻を殺害してしまった相棒とは喧嘩別れした犯人・・・ドアを出る片割れをさらに殺害・・・・

その後犯人は捕まるわけですが、妊婦の警察官の言葉が今も忘れられない・・・『そんなわずかな金のために人を殺害した、人生にはもっと価値があるものなのよ』・・・と

夫の一つつく嘘が次の事件を巻き起こし自体はよからぬ方向へと確実に進んでいく。たかがかね欲しさの夫の美栄と嘘とくだらない欲望が次から次へと被害者を生む。アメリカの片田舎にはありえない、全く無縁とも思われる事件に、私は人の欲望の恐ろしさを感じた。欲望は必ずしも悪いとは限らないが、ここまで来ると、そのエゲツナサニ腹が立ってくる気持ちで一杯になりながら見ていました。

結果的には人は何に対して欲望を持つのかで、その後の個としての人生が大きく変わることと、そして小さな美栄や欲望の矛先を間違える事で成功を手に入れることも出来なければ、最悪の人生のシナリオで幕を閉じなければいけないということの、重みに感ずかせてくれた作品だと思います。

ただ一言言わせて頂けるとするなら、父親を信じ最後まで母の安否を気遣っていた息子の気持ちを考えると、大変胸が痛みます。

そしてこの映画の最後に夫婦のあり方を見せ付けられた気がします。妊婦の警察官はハッピーな方向へ、そしてカーディーラーの夫は結局逮捕され全てを剥奪される。夫婦とは・・・・と最後に字幕を入れたい気持ちでいっぱいでした。



たまには映画も良いだろう✨