早いもので、今年最後の日

 

年を重ねるごとに月日が経つのを早く感じますが、

今年は特に早かったような気がします。

 

研修、講演に加え、今年も新刊を出版することが

できましたが、

ありがたいことに、7月に出版した

『アサーティブ・コミュニケーション』(日経文庫)

を手にとってくださる方が多く、

先ほどAmazonを見たら、

日経文庫で1位になっていました。

 

 

 

 

本当にありがとうございます。

 

アサーティブコミュニケーションについて、

わたしのHPのコラムでもご紹介していますが、

こちらのブログでも

あらためてご紹介できればと思います。

 

 

アサーティブ・コミュニケーションは、

お互いの立場や主張を大切にした、

自己主張・自己表現のこと。

 

1950年代に、アメリカの心理学者

ジョゼフ・ウォルピが開発した「行動療法」

という心理学療法のひとつです。

 

開発された当時は、主に

・自己表現が下手で社会的な場面が苦手な人

・対人関係がうまくいかないことで悩んでいる人

のカウンセリング方法をして実施されていました。

 

その後、1970年代から1980年代のアメリカで

起きた、人種や性の差別に対する人権回復運動の

なかで、コミュニケーションの訓練法として

広がりを見せ、日本では1982年に平木典子先生が

日本・精神技術研究所でトレーニンングを開始し、

やがて新しいコミュニケーション法として、

注目されるようになりました。

 

アサーティブ・コミュニケーションを

テーマにした研修は、20年以上前から

ニーズがあり、わたし自身も通年での依頼の

多いテーマです。

 

とくに、ここ2、3年は、

パワハラ防止対策・心理的安全性の実現のための

方法として需要が高まっています。

 

研修では、

・自分が感じたこと、思っていることを率直に

相手に伝えることができる

 

・相手と自分の価値観に相違があったとしても、

耳を傾け話し合う姿勢をもてる

 

・自分や相手の感情に振り回されたり、

相手や自分を責めることなく表現することができる

 

といったことを目標にしています。

 

相手に伝える」ために必要なスキルは、

言葉や表現だけではありません。

コミュニケーションのトレーニングでは、

知識を入れるだけでなく、実際のシーンを想定して、

ロールプレイングなどの練習も行います。

 

実際に、ロールプレイングを行った受講生からは、

「多様化する時代に合わせ、コミュニケーションの

とり方も柔軟に対応していかなければならないと思った」

 

「昔ながらの上下関係を盾にしたコミュニケーション

ではなく、心のなかでは対等に向き合うことが重要なのだ

と理解できた」

 

「伝え方、向き合い方を変えたことで、

相手の反応にも変化がみられ、関係性がよくなった」

 

「自分の伝え方のクセやネガティブな思い込みに

気づくことができた」

 

といった声をいただいています。

 

こちらが相手との向き合い方を変えれば、

相手の受けとめ方も反応も変わり、

コミュニケーションのゴールも変わっていくものです。

 

ある企業研修では、

「長年染みついたコミュニケーションのクセを

変えられるということは、わたしたち組織も変われるし、

変わらなければならないと思った」

という気づきを発言した人もいました。

 

パワハラ防止法の施行もひとつのきっかけとなって、

現在ではどの企業でも当たり前のようにコ

ミュニケーションスキルを求められるように

なってきました。

 

アメリカでは、相手に伝える表現を身につけるために、

アンガーマネジメントトレーニングのなかで、

アサーティブ・コミュニケーションのスキルと

考え方が取り入れられています。

 

アンガーマネジメントは、1970年代にアメリカで開発された、

怒りと上手に付き合うための心理トレーニング方法です。

 

怒らないようになるためのものではなく、

怒る必要のあることには適切な怒り方ができ、

怒る必要のないことには怒らないようになることを

目的としています。

 

じつは、研修を実施すると、

「アンガーマネジメントができるようになったあと、

具体的にどのように相手とコミュニケーションを

とればいいのでしょうか?」

 

「怒る必要があると判断したときに、

実際にどう表現したらいいのかわかりません」

といった相談を多くいただきます。

 

コミュニケーション能力は、トレーニングで身につけられるものです。

立場の違いがあっても、心のなかでは対等に、

お互い尊重し合いながらコミュニケーションをとることが

できます。

アサーティブなコミュニケーションが身につくと、

自分もラクになり、チームや組織の結束が自然と

増していくことになるでしょう。

 

そのため、たくさんの人たちに

アサーティブ・コミュニケーションの存在を、

知ってもらえることを願っています。

 

来年は、こちらのブログで

アサーティブについての記事を更新してきたいと

思います。

 

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