いよいよ4月

新しい期の始まりですね。

 

都内は冬に逆戻りしたかのような肌寒い

1日でしたが、桜の花が舞う景色、

スーツ姿の新入社員を見たり

新たなスタートの日だな…と感じながら

過ごした日でした。

 

さて、「あきらめる」という言葉について

どのようなイメージを持っていますか?

 

どうにもならない、または、かなわないと

断念し、残念な気持ちを持つような、

そんなネガティブな捉え方をする人もいるのでは?

と思います。

 

アンガーマネジメントでは、

怒りを感じるような状況において

どう行動しても、自分の力では

どうにもならないことに関しては、

その現実を受けいれましょう

と伝えています。

 

そうすると、

「それって、あきらめろ!

ということですよね…」

と、とても残念そうに言う人が多いのです。

 

つい先日の研修での質問でも

同じことを言われました。

 

そういうとき、

「わたしは、ネガティブな意味には

捉えていないんですよ」

と言うと、よくびっくりされます。

 

肯定的なあきらめ

があるのです。

 

先月、ある上場企業の経営者の方との

セッションで、

この「肯定的なあきらめ」について

話題になり

『嫌われる勇気』を本棚から

取り出しました。

 

アドラー心理学について書かれた

岸見一郎先生のご著書『嫌われる勇気』にも

このように書かれています。

 

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登場人物である哲人の言葉の中に

下記の言葉があります。

 

わたしは「肯定的なあきらめ」という

言葉を使っています

 

課題の分離もそうですが、

「変えられるもの」と「変えられないもの」

を見極めるのです。

 

「変えられないもの」に注目するのではなく

「変えられるもの」に注目するしかないでしょう。

 

自己受容について書かれている

箇所ではありますが、

アンガーマネジメントにもあてはまる

考え方だと思っています。

 

なんでこの人はこうなの?

どうして、こんな状況に?

なぜ、こんなことに?

 

と、自分の力ではどうにもならないことに

イライラしても、

どうにかならないかと念じても、

現状は変わらず、自分の怒りが大きくなり、

ストレスが溜まるだけ。

 

世の中には、自分の力ではどうにも

ならないことが多々あります。

 

ならば、どうにもならないことと見極め、

では、何が自分にはできるのか、

そちらに目を向けて行動した方が

よっぽど建設的です。

 

アンガーマネジメントは怒りが全くなくなる

ような魔法のメソッドではなく、

怒りと上手に付き合うための

心理トレーニングす。

 

上手に扱い、無駄な怒りに

振り回されないためには、

あきらめることも必要だとわたしは思うのです。

 

自分の力では変えられないことへの

前に進むための「肯定的なあきらめ」

もあるのだと研修や講演ではお伝えしています。

 

嫌われる勇気にはこのような言葉も

書かれています。

 

カード・ヴォネガットという作家の言葉

 

「神よ、願わくはわたしに

変えることのできない物事を

受け入れる落ち着きと、

変えることのできる物事を変える勇気と

その違いを常に見極める知恵をさずけたまえ」

 

あきらめる勇気

変えられることを変える勇気も大事ですね。

 

もう3年半も前になりますが、

岸見一郎先生とある講演会の登壇者として

ご一緒し、控室でご挨拶をした際に

サインをいただきました。

 

そして、

「戸田さんの本、読みましたよ」

と嬉しい言葉をいただきました。

 

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この機会にもう一度、読み直しています。