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《母の小説》「時屋」第一章 第三話
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第四話


一人で、黙々と片付けた。

想像していたような展開と違うのはさて置き、少々の不安と闘いながら、とにかく言われた通りにサッサと片付けて、じいちゃんを探しに行こうと。

シーンとした和室は、知らない家に来たようで、何度も後ろを振り向いた。

     
お泊りの時の時屋は賑やかで、ごちそうが美味しくて、良いことばかり。

今日はみんな忙しいんだ。

外へ出るとじいちゃんは、時屋の裏にいるわんちゃん(決して飼っている訳ではないのにいつもそこにいる)に残り物のゴハンに味噌汁をかけた「ねこまんま」をあげてる。

わんちゃんにねこまんま!そう思ったらあっと言う間に元気が出て、またウキウキしてきた。

    
しばらくすると、トッチが帰って来た。

トッチは、私より2歳年上で、小学校四年生の男の子だ。

私と同じように、標準より小さめで細い。
弱そうなのに、ホンダの家の近所の男の子達よりなんかかっこいい。

さすがは繁華街育ち。
歩いてたったの1時間でこんなに違うんだ。

トッチはおっちゃんとおばさんの子供。
時屋の中で、唯一の男の子で、一番小さいから一番威張っている。
みんなに可愛がられアイドルのよう。

年が近いので一番一緒に遊ぶけど、いままで可愛がられた事は記憶にない。

でも、遊ぶと楽しい。
何故なら、いつも遊びにスリル感があるから。

いつケンカになるか…必ずと言っていい程、最後はどちらかが泣く。

ホンダでは、私が一番可愛がられアイドルだ。
負けられないと常に警戒してる。

お互い、遊ぶ最初から戦闘態勢なので、遊びの中にも緊張感あり。

ハラハラ、ワクワク、ドキドキ、ルンルン、イライラと…これが結構楽しい。

負けず嫌い同士は、ケンカもしつこくて長い。

先ずは、時屋で一番強くて怖いばあちゃんの「いい加減にしなさいよー!」の怒鳴り声、おっちゃんの「うるさいぞ!」の一声。

ここまではまだ安全圏内。

優しいじいちゃんと優しいおばさんが怒り出すと、さすがに危ない。

大人達も我慢の限界だ。

「ケンカは外でやれー!」と裸足で外に放り出される。夏はまだいいけど…

冬なんて窓から外に投げられる。
まるでネコみたいにひょいと。

私もトッチも小さいから、本当に真っ白いふわふわの子猫みたいになる。

雪が多い旭川では、窓から投げられても(もちろんI階の窓)怪我は しない。

積もった 雪に裸足で埋もれてひゃっこい(凄く冷たい)。
頭どころか全て冷えて。

やっと綺麗サッパリ諦める事が 出来る。


中学生のイッコちゃんと高校生のカッコちゃんも帰って来た。

賑やかで、私の知ってるいつもの時屋になった。

これからは毎日みんなと一緒って贅沢過ぎる。

トッチは誰にでもすぐに駆けつけて甘える。トッチはすばしっこい。

 ヤモリのようにスルスルと移動しては、居心地の良い場所を取る。

私は悔しくて泣きそうになる。
でもそんなことでは決して泣かない。

あれ?ホンダでは泣き虫なのに…と気付いた。

嫌な事、悲しい事、悔しい事と可笑しい事まで…いつでも泣けた。

お母ちゃんやお兄ちゃんの膝の上で、背中で、お腹の上でも。

泣けないって寂しいんだと初めて知った。


イッコちゃんは、トッチのお姉ちゃんだ。

イッコちゃんと遊ぶ時は、トッチに先を越されてもそこは譲れない。

なんせ女の子同士で私が有利。
イッコちゃんは物凄く私を可愛がって遊んでくれる。

大好きだ!




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母とマーガレットさんの専用小説ブログを立ち上げよう!と思ってはいるのですが...

近頃なかなかマーガレットさんと会えず。。


母はマイペースに小説を書き綴ってくれているので

母の承認を得て、母の小説だけ引き続きこちらにアップすることにしました~ニコ


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