『背くらべ』
1.
柱の疵は おととしの
五月五日の 背くらべ
ちまきたべたべ 兄さんが
計ってくれた 背のたけ
昨日くらべりゃ 何のこと
やっと羽織の 紐のたけ
2.
柱に凭れりゃ すぐ見える
遠いお山も 背くらべ
雲の上まで 顔出して
てんでに背伸び していても
雪の帽子を 脱いでさえ
一はやっぱり 富士の山
南九州生まれの想い出は 今は、百を超えた伯母が食わせてくれた灰汁巻きだ。
懐かしさもあって、偶に田舎から取り寄せて喰っている。