NHKのニュースでこんなのが流れていました。
鹿児島県警の不祥事を元生活安全部長が情報リークしたとして、なんと鹿児島県警がこの元生活安全部長を逮捕し起訴にもっていったというのです。
その後、鹿児島県警本部長が記者会見をして、揉み消しの事実はないと発言していました。

ネットだとこれですね。
一部引用します。
 


NHK NEWS WEB 
鹿児島県警本部長 “不祥事の隠蔽”改めて否定 元部長は保釈(2024年6月21日)

鹿児島県警元部長を起訴 国家公務員法違反の罪 検察

鹿児島県警察本部の元生活安全部長が個人情報を含む内部文書をライターに漏らしたとして逮捕された事件で、鹿児島地方検察庁は、21日、元部長を国家公務員法の守秘義務違反の罪で起訴しました。

起訴されたのは、鹿児島県警察本部生活安全部の元部長、本田尚志被告(60)です。

起訴状などによりますと、本田元部長は退職後のことし3月、在職時に作成した警察官による県内のストーカー事案に関する内部文書を、自分の名前などを削除した上でライターに郵送し、職務上知り得た秘密を漏らしたとして、国家公務員法の守秘義務違反の罪に問われています。

検察は元部長の認否を明らかにしていません。


元部長は、5月に逮捕された後、裁判所で行われた手続きの中で「野川明輝本部長が警察官の事件を隠蔽しようとしたことが許せなかった」などと主張していました。

一方、野川本部長は「必要な対応がとられていて、隠蔽の意図をもって指示したことは一切ない」と隠蔽を強く否定していました。


今回の事件をめぐっては、元部長の行為が「情報漏えい」なのか、組織の不正を通報する「公益通報」なのか議論を呼ぶ展開にもなっていました。

「公益通報」にあたるかについて検察は「総合的に検討はしたが証拠の具体的な内容に関わるので明らかにしない」とする一方、「一連の警察の捜査に違法な点はないと判断した。起訴に値する程度の悪質性があると判断した」としています。


元部長の事件の経緯
元生活安全部長の事件が発覚したのは、ことし3月に明らかになった鹿児島県警の別の警察官による情報漏えいが発端でした。

このとき流出していたのは「告訴・告発事件処理簿一覧表」と呼ばれる内部文書で、鹿児島県警によりますと警察が告訴や告発を受理した事件の当事者の名前など、95の事件のあわせて304人分の個人情報のほか、事件への対応状況も記されていました。

去年10月、この中の特定の事件の捜査に問題があったとするネットメディアの記事で個人情報が黒塗りにされた状態で掲載され流出が発覚したということです。



この事件では、鹿児島県警の曽於警察署の巡査長が、内部文書などを第三者に漏らしたとしてことし4月に逮捕され、5月起訴されていて、この捜査の過程で本田元部長による漏えいの疑いが発覚したということです。

この巡査長の情報漏えい事件の関係先として、鹿児島県警はことし4月、ネットメディアを運営する代表の自宅の捜索を行っていました。本田元部長が逮捕されたのは5月31日。退職後のことし3月下旬、鹿児島市内で警察の内部文書をライターに郵送し職務上、知り得た秘密を漏らしたとして、国家公務員法違反の疑いでした。

警察は内部文書の詳しい内容について明らかにしていませんが、6月5日、裁判所で行われた勾留理由の開示手続きで元部長は、枕崎警察署の巡査部長が6月3日に起訴された盗撮事件のほか、一般市民の提供した情報をまとめた「巡回連絡簿」を悪用した警察官による犯罪があったとして警察の対応状況に触れたうえで、「不祥事をまとめた文書を記者に送ることにした」と述べていました。

元部長の事件について、警察庁の露木康浩長官は6月6日の会見で、「公表を望んでいないストーカー規制法違反事件の被害女性の実名などを第三者に漏らした」と話していました。


盗撮事件をめぐる経緯

 

鹿児島県警察本部の本田尚志元生活安全部長は、今回、情報を漏えいしたとされるストーカー事案に関する内部文書とともに、警察官が逮捕・起訴された盗撮事件に関する文書も第三者に送ったとされていて、元部長はこの盗撮事件の捜査をめぐって、野川本部長による「隠蔽」の指示があったと主張しています。

警察のこれまでの説明などによりますと
▽鹿児島県警がこの盗撮事件を認知したのは、去年12月19日でした。
▽野川本部長は3日後の12月22日に報告を受けました。
▽その後、容疑者の検挙に至らないまま3か月が経過し、ことし3月28日、本田元部長はこの事件の経緯を含む複数の文書を札幌市のライターに郵送。文書を受け取った札幌市のライターは、以前、自分の記事を掲載したことがある福岡市のネットメディアに文書を送付していました。
▽4月8日、鹿児島県警が、今回とは別の内部文書の漏えい事件で、ネットメディアの代表の自宅を捜索。この捜索で本田元部長が札幌市のライターに送った盗撮事件に関するものを含む文書の存在を把握したということです。
▽そのおよそ1か月後の5月13日、鹿児島県警は盗撮事件の容疑者として枕崎警察署地域課の巡査部長を逮捕。盗撮事件の認知からおよそ5か月が経過していました。

警察官が逮捕されたことについて、元部長は「私が送った文書がきっかけになったと思う」と述べ、県警が隠蔽から立件に方針を変えたと主張しています。

一方、野川本部長は「私が隠ぺいの意図をもって指示したことは一切ない」と否定。
事件の認知から逮捕まで5か月かかったことについて、鹿児島県警側は県議会の答弁で「実況見分や防犯カメラの精査など、継続して捜査していた。年度末の人事異動や別の漏えい事案への対応などもあり、立件が遅いとの批判については真摯(しんし)に受け止めたいと思うが流出が確認されたから隠せなくなって捜査したという事実はない」と説明していました。


「情報漏えい」か「公益通報」か議論に


この事件をめぐっては、元生活安全部長の行為が「情報漏えい」なのか、組織の不正を通報する「公益通報」なのか議論を呼びました。

元生活安全部長は、退職後のことし3月下旬、鹿児島市内で警察の内部文書をライターに郵送し、職務上、知り得た秘密を漏らした疑いで5月31日に逮捕されました。

捜査関係者によりますと、文書には、鹿児島県警の警察官によるストーカー事案の捜査にまつわる情報が含まれ、女性の氏名などの個人情報も記載されていたということで、警察庁の露木康浩長官は6月6日の会見で、「公表を望んでいないストーカー規制法違反事件の被害女性の実名などを第三者に漏らした」と話していました。

一方、逮捕された元生活安全部長は6月5日に裁判所で行われた勾留理由の開示手続きで、内部文書を記者に送ったことを明らかにしたうえで、現職警察官による不祥事が明らかにされなかったとして「不都合な真実を隠蔽しようとする県警の姿勢に失望した」などと述べていました。

こうしたことから鹿児島県議会の常任委員会では、元生活安全部長を逮捕したことについて組織内の不正を通報する「公益通報」の観点から疑問視する意見も出されていました。

鹿児島県警は、「隠蔽の意図をもって指示したことは一切ない」などと隠蔽を否定したうえで、公益通報にあたるかどうかについては「動機などを捜査中のため判断できていない」などとしていました。


メディア捜索の是非

今回の事件では、ネットメディアに対して警察が捜索を行ったことも議論を呼びました。

今回の元生活安全部長の情報漏えい事件は、鹿児島県警で起きた別の情報漏えい事件の捜査の過程で発覚しました。

この別の情報漏えい事件は、曽於警察署の巡査長が、刑事事件の当事者の個人情報が記された「告訴・告発事件処理簿一覧表」と呼ばれる内部文書などをネットメディアに漏らしたとしてことし5月に起訴されたもので、去年10月、ネットメディアの記事でこの内部文書の一部が個人情報を黒塗りにした状態で掲載されていました。

この巡査長の情報漏えい事件の関係先として、鹿児島県警はことし4月、ネットメディアを運営する代表の自宅の捜索を行いました。

この捜索についてネットメディアの代表は6月13日、令状が示されなかったほか、拒んだにもかかわらず、押収されたパソコンに保存していたデータを捜査員に消去されたなどとして鹿児島県警に苦情を申し入れ、「取材情報を隠滅する行為でこのような手法で取材活動を冒すことなど決して許されてはならない」と主張していました。

これに対し鹿児島県警察本部は、コメントを出し、「情報漏えい事案への対応において捜索差し押さえを行う際は、裁判官が発する令状を明確に相手に提示している」と反論したうえで、データの消去については、「漏えいした各資料に関しデータの削除を要する際には、相手方に説明して同意を得るなど、適正捜査や任意性を確保している」と主張していました。


元部長から文書を受け取ったライターは

元生活安全部長からの文書を受け取った札幌市のライター、小笠原淳氏がNHKの取材に応じ、県警側から文書の提出を求められ、取材源の秘匿などを理由に拒否したことを明らかにしました。

小笠原氏によりますと、ことし4月3日に差出人が書かれていない匿名の封筒が届き、中には「闇をあばいてください」と書かれた表紙を含むあわせて10枚の文書が同封されていたということです。

小笠原氏はその日のうちに以前、自分の記事を掲載したことがあった福岡市のネットメディアにこれらの文書をメールで送ったということです。

そのおよそ2か月後の5月31日に元生活安全部長が逮捕され、さらに4日後の6月4日、鹿児島県警の捜査員から携帯電話に連絡があり、受け取った文書が事件の「証拠品」だとして、提出を求められたということです。

小笠原氏はこの際のやりとりについて「強烈に覚えているのは『返還していただきたい』と言われたことです。返還は、普通は借りたものを返すことを言うので『どういうことですか?』と言うと、向こうは『重要な証拠として押収させていただきたい』と答えました。

普通は強制捜査で使うことばなので、『令状か何か出ているんですか』と聞くと『お願いベース』ですと話し、あわよくば、任意だけれど提出しなければいけないという感じをつくってやろうという思いが透けて見えた」と話していました。

小笠原氏は取材源の秘匿などを理由に提出を拒否したということです。

鹿児島県警は、小笠原氏が元生活安全部長から受け取った文書のデータを福岡市のネットメディアに送った5日後の4月8日、別の内部文書の漏えい事件の関係先として、このネットメディアを運営する代表の自宅を捜索しました。

これについて小笠原氏は「報道機関に強制捜査を行うのもおかしいし、別の事件で強制捜査に入って目的外のものを押収して元生活安全部長の捜査を始めるというのも不適切だ」と批判した上で「結果的に不当な捜査によって私がもらった情報が筒抜けになってしまった。大変な思いでわざわざ札幌まで送ってきてくれたのに応えられなかった。結果的にこれを県警に漏らしてしまって本人を逮捕させてしまい申し訳ないとしか言いようがない」と話していました。
 



まるでテレビドラマを観るような展開ですが、どう見ても鹿児島県警の乱脈さが印象的ですね。
不祥事がとにかく多い。
それを隠蔽しようとしたのを許せなくて元部長が内部告発した。
その元部長を、鹿児島県警が逮捕・起訴しちゃうんですからめちゃくちゃです。

これでいいのでしょうか。


おまけ:

地球防衛家のヒトビト(しりあがり寿)
朝日新聞2024.06.26


獅子風蓮