私は、別のところ(獅子風蓮のつぶやきブログ)で、週刊現代(2024年5月11日号)の記事を参考に、あの恐ろしい外科医「竹田くん」が移った病院先でいろいろトラブルを起こしていることを書きました。

『脳外科医 竹田くん』の恐怖 その5)(2024-05-09)

『脳外科医 竹田くん』の恐怖 その6)(2024-05-10)

ネットではこれですね。


週刊現代2024.05.05
危ない脳外科医が大阪の病院で働いている!

医療スタッフが決意の告発
「このままでは、また死人が出ます」

驚愕の内部資料を入手

急患の骨折を見逃す/キズを縫合中、看護師の指に針を突き刺す/
カテーテルは失敗の連続/患者の情報を取り違える/
仮眠室やトイレで飲酒・喫煙

名門病院の救急部門に、去年やってきた中堅医師。着任からまもなく、現場は大混乱に陥った。その正体が、医療界を激震させている、あの「脳外科医」だったとは――。
恐怖の内部告発スクープ。


「わざとじゃないねん」

ここに、50枚以上に及ぶ文書がある。すべて、同じひとりの医師の行状に関する「報告書」だ。

「私は長年この病院に勤めていますが、こんなにひどい医者は初めてです。彼の力量不足とデタラメな処置で、治るはずの患者さんが、命の危機にさらされることが度重なっています。今すぐ医者を辞めてほしい――多くのスタッフが、心の底からそう思っています」

決意を固め取材に応じたのは、大阪府吹田市、万博記念公園近くにある「吹田徳洲会病院」救急部門のスタッフである。

医療界を揺るがしている『脳外科医 竹田くん』。
兵庫県の赤穂市民病院で起きた連続医療ミスと、それに関与した医師がモデルの「ほぼ実話」のマンガだ。本誌は3月9日号で、当事者のA医師と被害者に取材した。

A医師は'21年に赤穂市民病院を退職、大阪市の医誠会病院(現・医誠会国際総合病院)救急科に移る。ところが、そこでも患者を処置ミスで死なせたとして、今年2月に遺族が病院を訴えた。
A医師がさらに移った先が、吹田徳洲会病院。そこでA医師は、またしても患者を危険にさらしているというのだ。

前出のスタッフは「最初はみんなA先生を喜んで迎えた」と回想する。
「彼がうちに来たのは、去年の6月初め。当時は救急担当の常勤医が足りなかったので、若くてやる気のあるA先生に誰もが期待していました」
しかし、期待はすぐさま裏切られる。着任からいくらも経たないうちに、おかしな診断を連発し始めたのである。

(中略)


「僕は診ない」といなくなる

A医師は救急部門の中核を担い、多くの看護師・救急救命士に検査や治療の指示を出す立場にあるが、その指示もデタラメだった。7月には、こうした報告が上がり始める。

〈患者診察をせず様々な検査オーダーを入力しており、なぜその検査が必要なのか分からないことが多々ある〉

〈間違えて(検査を)オーダーしていることがわかった。担当の(別の)救急医に不要と確認しキャンセル〉

まともな診察をしないまま、患者を入院させることも頻繁にあった。

〈患者様到着後(A医師は)8分で診察を終了された。この間一度も患者に近づくことなく触診どころか問診もなし。(中略)患者の顔も見ない、話をしない、触診もしない、検査データも見ない、レントゲン画像も見ないで入院となることがある〉

あげく7月末には、患者をさばききれず、症状・病状のデータを取り違えるミスまで起こした。困り果てたスタッフが他の医師を頼ると、A医師は露骨に不機嫌になる。昨年11月に、スタッフがある患者を循環器内科の医師に診てもらうよう提案したときには、

〈「僕が診ている患者なのにコンサル(相談)依頼するなんて失礼だ」(中略)「そんなの僕は知らない。それなら僕は診ない」と、まったく聞き入れてくれず。患者を放置し自室へ戻りその後は一度も患者を診ようとしなかった〉

と、院内で行方をくらましてしまった。さらに別のスタッフが憤る。

(中略)

この頃には、A医師の行状、さらに彼が『脳外科医 竹田くん』のモデルとなった医師であることは院内に知れ渡っていた。同時期、有志が職員アンケートを実施して院長に提出したほか、A医師の懲戒や退職を求める声も上がっている。

〈各患者の把握が全くできていない〉

〈何度も意見したり報告書を提出してますが、何も状況変わらない〉

〈カリウムの急速投与未遂やスタッフへの針刺し事故など今までの医師とは明らかに違う。患者の安全だけでなく、スタッフの安全も脅かされる〉

紙幅の都合で書ききれないが、A医師が招いた深刻なトラブルについて、半年あまりで30件以上の報告書が作成された。
「A先生の下にいれば、いずれ重大な医療事故が起こる。そのとき、責任を取らされるのは看護師や救急救命士といった現場スタッフです。資格を剥奪されるかもしれない不安から、すでに別の病院へ移った同僚もいます。なにより、何も知らずに搬送され、A先生の診察や処置を受ける患者さんに申し訳ない。徳洲会を愛する職員として、一刻も早く出ていってほしい」(冒頭のスタッフ)

 

なぜか幹部は「全力擁護」

メチャクチャなのは、診察や治療だけではなかった。救急医であるにもかかわらず、Å医師は着任直後から毎日のように遅刻し、電話をかけても出ない。朝8時から勤務開始のところ、平気で9時過ぎに出勤し、患者情報の引き継ぎもままなら ないことが多発した。
ひどいことに、院内で酒まで飲んでいたようだ。
「仮眠室をA先生が使ったあと、ウイスキーの瓶やチューハイの空き缶が置きっ放しになっている。出勤するとすぐ仮眠室へこもり、トイレの個室でタバコを吸い、定時の19時より早く患者を放り出して帰宅してしまう。人として最低限のルールさえ守れないのです」(同前)
なぜ吹田徳洲会病院は、A医師を雇い続けるのか。キーパーソンと目されるのが、病院の顧問で救急部門長を務めるM医師だ。「日本の救急救命医療の第一人者」と言われる名医で、ある参議院議員の父でもある。
実はM医師は、以前A医師が勤めていた医誠会病院の元院長で、昨年に吹田徳洲会病院へ移った。
「M顧問がA先生を連れてきたことは、院内では公然の秘密です。顧問には多くのスタッフが問題を直接訴えていますが、強く咎める様子もない。あげく、院長が朝礼で『みんなでA先生を支えましょう』などと言い出す始末。なぜか病院の上層部は、総出で彼を守ろうとしているのです」(同前)4月下旬の某日夜、帰宅したM医師を直撃すると、憤りつつこう語った。 
「あなた(記者)の見解は結論ありきになってしまっている。彼がそんなに飛び抜けた(悪い)存在か、という疑念もあっていいと思うんだよね。こういう待ち伏せ的な取材は、僕はやられたくないんだ。本当に卑怯だと思う。本当に失礼だ」

また、吹田徳洲会病院に取材を申し込んだところ、高橋俊樹院長が自らこう答えた。
「A医師の赤穂市民病院でのトラブルは、採用時にM顧問から報告を受けていました。昨年3月に面接した際、彼自身も説明してくれた。汗をかきつつ必死に話す彼の言葉を聞くと、患者さんへの謝罪の気持ちと、手術への熱意が感じられました。今は、侵襲がない治療だけを担当する立場で、常にM顧問や私の指導が入る状態で勤務させています。ご指摘のミスは、医師なら誰でも判断に迷うようなもので、彼の責任とはいえません。
たしかに遅刻や喫煙については、なかなか改善されなかったため、この3月にスタッフを集めた説明会を開き、その場で私が叱責しました。ですがA医師は今、一人前に成長しつつあります。われわれには彼を教育する使命があります」

取り返しのつかないことになる前に、一刻も早く対策を講じるべきだ。



 


解説
問題のマンガ『脳外科医 竹田くん』は、これですね。

脳外科医 竹田くん
あり得ない脳神経外科医 竹田くんの物語



この4コマ漫画を読んでもらうと分かるのですが、この脳外科医「竹田くん」、とんでもない医者です。
手術が下手なくせに、手術をやりたがる。
手術の失敗をなんとかごまかして家族を黙らせ、後遺症の残った患者を転院させる。

なんでこんな医者が医師免許停止処分を受けないのか不思議です。

不思議といえば、赤穂市民病院で脳外科にこの医師を受け入れた脳外科の古荒科長です。
普通なら、温情あふれる後輩思いのいい上司なのですが、「竹田くん」の手術ミスの尻拭いばかりして、手術をやり続けさせるのです。
結局は、院長から手術禁止のお達しがでるのですが、「竹田くん」は、手術ミスの責任を古荒科長に被せる作戦をたて、なかば成功してしまうのです。

私は、4コマ漫画を読んで、そら恐ろしく感じました。
「竹田くん」は確かに異常です。
サイコパスと言っていいでしょう。
すぐに医師免許を剥奪するべきです。

でも、それ以上に問題なのは、そのような医師に手術を続けるのをとめられなかった古荒科長と、病院の管理部門です。
院長・事務長をはじめとする管理部門は、問題が発覚したあとも、事件の隠ぺいをはかったふしがあります。


こういう問題は、日本の他の病院でも起こる可能性はあります。
必然的に、患者は、そういうハズレの医者に当たることがあるのです。

目の前に問題の医者がいて、患者に不利益を起こす可能性が高いなら、医者の上司や病院の管理部門は、問題を正面から取り上げて、適切に指導すべきでしょう。
問題の医師をやめさせればいいというものではないはずです。

病院をかわった問題医師は、赴任先の病院でまた問題を起こします。

実際に、竹田くんのモデルの医師がそうしたように。

医誠会病院の次に「竹田くん」が移ったのは吹田徳洲会病院でした。

「竹田くん」は、行く先々の病院で、職員とトラブルを起こし、医療事故をくり返します。

医師を採用する病院は、被害を被る患者さんとその家族のために、もっと医師採用の際は、慎重であるべきでしょう。


吹田徳洲会病院に取材を申し込んだところ、高橋俊樹院長が自らこう答えた。
「A医師の赤穂市民病院でのトラブルは、採用時にM顧問から報告を受けていました。(中略)……ですがA医師は今、一人前に成長しつつあります。われわれには彼を教育する使命があります」


私も徳洲会の病院の院長をしていたことがあるので、吹田徳洲会病院の高橋俊樹院長のつらい立場はよく分かるつもりです。
どんな出来損ないの医師でも、成長を信じて教育していこうとする態度は立派です。
ただ、相手は、サイコパスの「竹田くん」です。相手が悪すぎます。

私の場合は、鹿児島県の離島、奄美大島の病院(名瀬病院、現在は名称が変わっています)でしたので、落下傘的に院長として赴任しました。35年くらい前の、昔の話です。
開院の準備段階から看護師など職員は十分そろっていましたが、専門的な医師は不足していました。
医師は、東京の徳洲会本部の担当者が探して連れてきてくれます。
私を含め、6人ほどの常勤医がいましたので、日常の診療はなんとかこなせました。
それでも不足している、手術のできる外科、循環器科や脳外科など専門の医師は、関連病院の医師を交代で派遣してくれます。
あと、徳洲会に就職した研修医を数カ月交代で派遣してくれます。離島医療の体制としては恵まれていたと思います。

「竹田くん」のように人格的に問題のある医師には出会ったことはありませんが、医師の採用にあたり、院長の面接などなく、ただただ医師の派遣を本部にお願いする立場でした。

その意味で、高橋俊樹院長を責める気持ちにはなりません。
しかし、サイコパスの人間の心の裏側を、もっと見抜いてほしいと思います。

「M顧問がA先生を連れてきたこと」について、もっと情報がないと何とも言えませんが、この人物の責任は大きいと思いました。


その後の情報が入りましたら、また検証したいと思います。


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獅子風蓮