寮美千子さんは、「奈良監獄物語」という絵本も出しています。

 

 


絵本ですから、分かりやすいことばで、「奈良監獄」を主人公にして話がすすみます。

すてきな絵本ですが、文章のみ紹介したいと思います。


目次

□坂の上の赤煉瓦
■美しい刑務所
□明治五大監獄
□黒船来航と不平等条約
□ギス監から近代的監獄へ
□囚人たちが積んだ赤煉瓦
□五翼放射状舎房
□暗い時代
□阿修羅さまたちの疎開
□若草理容室
□花火
□監獄法の改正
□やさしさを響かせる楽器
□取り壊しの危機
□町の人々の願い
□喜びと悲しみ
□別れの演奏会
□未来への船出
資料編
・奈良監獄建築配置図
・明治五大監獄
・旧奈良監獄の歴史


美しい刑務所

ようこそ、旧奈良監獄へ。
どうだい、これが刑務所の門に見えるかい?
正面のアーチの赤と白は、イギリス風。
軒下のぎざぎざ飾りは、イタリア風。
まあるい屋根は、イスラム風。
はるかな土地の文化がひとつに融けあった形は、
シルクロードの終着点である奈良にふさわしい。
りっぱだけど、怖くはないだろう。
遊園地の門だと思って、来る人さえいた。
刑務所なのに、なぜこんな形なのか。
だれもが不思議に思う。
じつは、それにはこんな理由があるんだ。



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獅子風蓮